STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第193問

成人聴覚障害第23回
初期の加齢性難聴について正しいのはどれか。
  1. 1.聴力低下を自覚しにくい。 ✓
  2. 2.両側非対称性の難聴である。
  3. 3.語音弁別能は維持される。
  4. 4.聴力像は低音障害型である。
  5. 5.外有毛細胞より内有毛細胞が障害を受けやすい。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 聴力低下を自覚しにくい。 加齢性難聴は高音域から始まるため、日常生活でよく使用される低音~中音域での聴力は比較的保たれます。そのため初期段階では本人が難聴を自覚しにくく、健診や医療機関での聴力検査で初めて指摘されることが多いという臨床的特徴があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 聴力低下を自覚しにくい。 ✅ 正しい。加齢性難聴は高音域から始まり、初期段階では日常会話に支障をきたさないため、本人の自覚が遅れることが特徴です。会話音の周波数帯(500~2000Hz付近)が保たれているため、「最近聞こえが悪い」という自覚に至りにくいです。 2. 両側非対称性の難聴である。 ❌ 誤り。加齢性難聴は両側対称性の難聴です。加齢は両耳に同等の影響を与えるため、通常は左右の聴力低下がほぼ同程度です。非対称性の聴力低下が見られる場合は、他の原因(突発性難聴、聴神経腫瘍など)を疑う必要があります。 3. 語音弁別能は維持される。 ❌ 誤り。加齢性難聴では語音弁別能は低下します。特に初期段階で高音域の聴力が低下すると、子音(s音やf音など高周波成分が多い)の弁別が困難になり、語音明瞭度は聴力レベル以上に低下することがあります。これを「加齢性難聴における語音弁別能の過度な低下」と呼びます。 4. 聴力像は低音障害型である。 ❌ 誤り。加齢性難聴の聴力像は高音障害型です。8000Hz以上の高周波から聴力低下が始まり、徐々に低周波へ進行していきます。低音障害型は脂漏性内耳炎や特定の内耳疾患に見られるパターンであり、加齢性難聴の典型像ではありません。 5. 外有毛細胞より内有毛細胞が障害を受けやすい。 ❌ 誤り。むしろ逆です。加齢性難聴では外有毛細胞が内有毛細胞より先に障害を受けやすいとされています。外有毛細胞はより脆弱で、加齢に伴う酸化ストレスやミトコンドリア機能障害の影響を受けやすいため、聴力低下の初期段階では外有毛細胞障害が優位です。 --- 【試験対策ポイント】 加齢性難聴の特徴(重要): | 項目 | 加齢性難聴 | 紛らわしい他の難聴 | |---|---|---| | 発症パターン | 両側対称 | 突発性難聴:片側(非対称) | | 聴力像 | 高音障害型(8kHz以上) | 低音障害型:脂漏性内耳炎 | | 自覚症状 | 初期は自覚しにくい | 突発性:急激に自覚 | | 進行速度 | 緩徐進行 | 突発性:数日以内 | | 語音弁別能 | 低下する | 通常は維持(軽度難聴) | | 有毛細胞障害の順序 | 外有毛細胞が先 | — | キーワード: - 初期段階での「自覚の遅さ」が最大の臨床的特徴 - 高音域保護聴覚検査(4000Hz以上)で異常が明確 - 語音弁別能低下は「聴力低下以上に悪化」(cochlear
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