第23回 言語聴覚士国家試験 第194問
補聴器・人工内耳第23回
補聴器の実耳測定について誤っているのはどれか。
- 1.連続的な周波数の情報が得られる。
- 2.異なるレベルの試験音で検査ができる。
- 3.国際音声試験信号を用いて検査ができる。
- 4.聴力に左右差がある場合にはマスキングが必要である。 ✓
- 5.ファンクショナルゲインの測定と比べて測定時間が短い。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 聴力に左右差がある場合にはマスキングが必要である
実耳測定(READスタイル測定)は、外耳道内に挿入したプローブマイクロフォンで、補聴器装用時の耳道内音圧レベルを直接計測する方法です。この検査では「外耳道内の音圧」を測定するため、対側耳へのクロストークを懸念する必要がなく、左右差があってもマスキングは不要です。むしろマスキングを行うと測定値そのものが偽陽性になる可能性があります。
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【各選択肢の解説】
1. 連続的な周波数の情報が得られる。
✅ 正しい。実耳測定は周波数スイープなどにより、広い周波数帯域にわたる連続的なデータが得られ、特定周波数のみの測定とは異なります。
2. 異なるレベルの試験音で検査ができる。
✅ 正しい。異なる入力音圧レベル(例:50dBSPL、65dBSPL、80dBSPL)で測定することで、補聴器の非線形特性も評価できます。
3. 国際音声試験信号を用いて検査ができる。
✅ 正しい。国際音声試験信号(例:ISTS)は複数の言語音を含むため、現実的な音声環境での補聴器の特性を評価するのに適しています。
4. 聴力に左右差がある場合にはマスキングが必要である。
❌ 誤り。実耳測定は外耳道内の音圧を直接計測するため、対側耳への音響クロストークの影響を受けません。したがって、左右差があってもマスキングは不要であり、むしろ測定を複雑にします。
5. ファンクショナルゲインの測定と比べて測定時間が短い。
✅ 正しい。実耳測定は機器が自動で周波数スイープを行うため、ファンクショナルゲイン(手動で複数周波数を測定)より効率的で測定時間が短くなります。
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【試験対策ポイント】
実耳測定の特徴と注意点:
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 測定原理 | 外耳道内のプローブマイクロフォンで直接音圧を計測 |
| マスキング要否 | 不要(外耳道内測定のため対側耳刺激なし) |
| 周波数範囲 | 連続的・広周波数帯域のデータが得られる |
| 入力音圧 | 複数レベルで検査可能(50dB、65dB、80dBSPL等) |
| 試験信号 | 純音、ISTS等の音声信号が使用可 |
| 測定時間 | ファンクショナルゲインより短い |
| 利点 | 個人差・耳道形態への適応が正確 |
実耳測定とファンクショナルゲイン測定の比較:
| 項目 | 実耳測定 | ファンクショナルゲイン測定 |
|---|---|---|
| 測定対象 | 耳道内音圧 | 聴覚域値の変化 |
| マスキング | 不要 | 必要な場合あり |
| 測定時間 | 短い | 長い |
| 周波数 | 連続的 | 離散的(複数点) |
頻出誤答パターン:補聴器の測定時にマスキングが「常に不要」と誤解する受験生が多いですが、実耳測定に限定した安全な知識です。