第23回 言語聴覚士国家試験 第196問
小児聴覚障害第23回
誤っている組合せはどれか。
- 1.SLC26A4遺伝子変異 ――― 前庭水管拡大床
- 2.糸球体腎炎 ――― Alport症候群
- 3.網膜色素変性症 ――― ワールデンブルグ症候群 ✓
- 4.GJB2遺伝子変異 ――― 非症候群性難聴
- 5.OTOF遺伝子変異 ――― auditory neuropathy spectrum disorder
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 網膜色素変性症 ――― ワールデンブルグ症候群
ワールデンブルグ症候群の主要臨床症状は「広間隔内眼角」「虹彩異色」「白毛」であり、網膜色素変性症は関連症状ではありません。一方、Alport症候群では進行性腎炎が必発症状であり、網膜色素変性症に類似した眼症状(角膜混濁など)を伴う場合があります。
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【各選択肢の解説】
1. SLC26A4遺伝子変異 ――― 前庭水管拡大症
✅ 正しい。SLC26A4遺伝子は内リンパ液産生に関与するペンドリンをコードしており、その変異は前庭水管拡大症(LVAS)の主要原因です。NHS(新生児聴覚スクリーニング)通過後の進行性感音難聴の代表的な遺伝学的背景として重要です。
2. 糸球体腎炎 ――― Alport症候群
✅ 正しい。Alport症候群はIV型コラーゲン異常による遺伝性腎炎で、進行性の糸球体腎炎が必発の臨床症状です。感音難聴と眼症状(角膜混濁・網膜変性)を伴う症候群性難聴の代表的疾患です。
3. 網膜色素変性症 ――― ワールデンブルグ症候群
❌ 誤り。ワールデンブルグ症候群の主要症状は広間隔内眼角(広い両眼隔距)、虹彩異色症(左右で眼の色が異なる)、白毛症(髪・眉毛が白い)、耳介後部の白斑です。網膜色素変性症はワールデンブルグ症候群の関連症状ではありません。この組合せが正答肢です。
4. GJB2遺伝子変異 ――― 非症候群性難聴
✅ 正しい。GJB2遺伝子(コネキシン26)はギャップジャンクション蛋白をコードし、常染色体劣性非症候群性難聴(DFNB1)の最大原因遺伝子です。全先天性難聴の約50%がこの遺伝子変異に関連しています。
5. OTOF遺伝子変異 ――― auditory neuropathy spectrum disorder
✅ 正しい。OTOF遺伝子(オトフェリン)変異はauditory neuropathy spectrum disorder(ANSD)の主要な遺伝学的原因です。内有毛細胞から聴神経への神経伝達障害により、ABRの無反応と語音聴力検査の相対的良好さが特徴的です。
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【試験対策ポイント】
**症候群性難聴を伴う遺伝子変異・疾患**
| 疾患名 | 原因遺伝子 | 難聴型 | 付随症状 |
|---|---|---|---|
| Alport症候群 | COL4A(IV型コラーゲン) | 感音難聴 | 進行性腎炎、角膜混濁、網膜変性 |
| ワールデンブルグ症候群 | PAX3など | 感音難聴 | 広間隔内眼角、虹彩異色、白毛、耳介後白斑 |
| Jervell-Lange-Nielsen症候群 | KCNE1など | 感音難聴 | QT延長(心電図異常、突然死リスク) |
| Pendred症候群 | SLC26A4(ペンドリン) | 進行性感音難聴 | 甲状腺腫、前庭水管拡大症 |
| ANSD | OTOF、PJVK他 | 神経型(ABR無反応) | 内有