STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第198問

補聴器・人工内耳第23回
幼児の人工内耳初回調整に際して誤っているのはどれか。
  1. 1.すべての電極を時間をかけて設定する。 ✓
  2. 2.神経反応テレメトリーを参考にして設定する。
  3. 3.予想される行動を予め保護者に伝える。
  4. 4.術後創部の腫脹に合わせて磁石の強度を変える。
  5. 5.聴性行動反応を確認しながら実施する。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — すべての電極を時間をかけて設定する。 幼児の人工内耳初回調整では、多数の電極を一度にすべて設定してしまうと、初装用時の過負荷や疲労につながります。段階的に電極数を増やしていく方法が標準的です。患児の状態と反応を観察しながら、計画的に調整を進める必要があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. すべての電極を時間をかけて設定する。 ❌ 誤り。初回調整では全電極を一度に有効化すべきではありません。患児の反応確認と聴覚系への過負荷軽減のため、段階的に電極数を増やしていく方法が推奨されています。 2. 神経反応テレメトリーを参考にして設定する。 ✅ 正しい。NRT(Neural Response Telemetry)は患者の神経応答を客観的に測定する重要な手段で、刺激値や最大出力レベルの設定に直接活用される標準的な調整方法です。 3. 予想される行動を予め保護者に伝える。 ✅ 正しい。初装用時に突然の音刺激により、患児が驚く、泣く、動くなどの反応を示すことが多いため、事前に説明して心理的な不安を軽減することは重要な患者教育です。 4. 術後創部の腫脹に合わせて磁石の強度を変える。 ✅ 正しい。術直後は創部の腫脹により、体外機器と内部電子機器の距離が変わります。磁石の強度を調整して、適切な装着感と信号伝送を保つ必要があります。 5. 聴性行動反応を確認しながら実施する。 ✅ 正しい。幼児には言語報告が困難なため、音への反応(眼球運動、体の動き、音源への注視など)を観察しながら調整することが標準的かつ必須です。 --- 【試験対策ポイント】 人工内耳初回調整の要点: | 項目 | 内容 | |---|---| | 電極設定方法 | 段階的に電極数を増やす(全電極同時設定は誤り) | | 客観的評価 | NRT(神経反応テレメトリー)を活用 | | 主観的評価 | 聴性行動反応(ABR)で確認 | | 物理的配慮 | 術後腫脹に対応した磁石強度調整 | | 保護者への対応 | 初装用時の反応を事前説明 | 頻出の誤り選択肢パターン: - 「全て」「すべて」「一度に」という限定的表現は慎重に判断すること - 人工内耳調整は多段階・多角的アプローチが原則
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