第23回 言語聴覚士国家試験 第199問
聴力検査第23回
語音聴力検査の結果を図に示す。正しいのはどれか。(図あり)
a.単音節を用いた検査である。
b.音に対する電気的な反応をみた検査である。
c.乳幼児に適した検査である。
d.補聴器の装用には右耳が適する。
e.ロールオーバー現象が確認できる。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
語音聴力検査は音声言語の聴力を測定する検査です。単音節(「あ」「い」など)を用いた測定結果に基づく検査であり、音圧レベルを上げていくと語音明瞭度が一度ピークに達した後に低下するロールオーバー現象が観察される場合があります。この現象は特に感音難聴で見られやすい特徴です。
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【各選択肢の解説】
a. 単音節を用いた検査である。
✅ 正しい。語音聴力検査では「あ」「い」「う」などの単音節を用いて、患者が正答できる割合(語音明瞭度)を測定します。
b. 音に対する電気的な反応をみた検査である。
❌ 誤り。語音聴力検査は患者の主観的反応(「聞こえた」「分かった」)に基づく検査です。電気的反応を測定するのはABR(聴性脳幹反応)やECoG(電気蝸牛図)などの客観的聴力検査です。
c. 乳幼児に適した検査である。
❌ 誤り。語音聴力検査は患者が言語を理解して応答する必要があるため、言語能力が確立した学齢以上の者を対象とします。乳幼児にはTOE(オージオメトリー検査)やABRなどの他覚的検査が適しています。
d. 補聴器の装用には右耳が適する。
❌ 誤り。図の詳細確認が必要ですが、一般に補聴器装用の適否は単一の検査結果ではなく、気導・骨導閾値、語音明瞭度、日常生活への支障度などを総合判断して決定されます。図の結果だけからは右耳適用の判断はできません。
e. ロールオーバー現象が確認できる。
✅ 正しい。ロールオーバー現象は音圧レベルを段階的に上げた際に、語音明瞭度が最大値に達した後、さらに音圧を上げると明瞭度が低下する現象です。感音難聴(特に高度難聴)で見られやすく、図の結果でこの現象が確認されていることが想定されます。
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【試験対策ポイント】
| 検査名 | 対象 | 測定項目 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 語音聴力検査 | 学齢以上 | 語音明瞭度(%) | 主観的・言語理解必要 |
| ABR | 乳幼児~全年齢 | 電気的反応 | 客観的・睡眠中可能 |
| TOE | 乳幼児~全年齢 | 行動反応 | 他覚的・年齢別工夫 |
| ティンパノメトリー | 全年齢 | 鼓膜コンプライアンス | 中耳機能評価 |
**ロールオーバー現象**
- 音圧↑ → 語音明瞭度↑ → 一定値で最大 → さらに音圧↑ → 語音明瞭度↓
- 原因:高度難聴で周波数特性の歪み、神経活動の同期性低下
- 臨床意義:補聴器フィッティングで注意が必要(出力制限の工夫)
**語音検査 vs 他の検査**
- 単音節 = 語音聴力検査(文語音ではない)
- 電気的反応 = ABR・ECoG(言語検査ではない)
- 乳幼児対応 = TOE・ABR(語音聴力は不可)