STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第21問

聴力検査第23回
聴覚検査で診断できる障害部位を■で示す。ティンパノメトリーに該当するのはどれか。(図表)
  1. 1.検査A
  2. 2.検査B
  3. 3.検査C
  4. 4.検査D ✓
  5. 5.検査E
第23回第21問 図

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 検査D ティンパノメトリーは中耳のコンプライアンス(耳小骨連鎖の可動性)と耳管機能を評価する検査です。外耳道に一定の音圧を与えながら周波数を変化させ、インピーダンスの最小値を測定することで、中耳機能を判定します。正答は中耳障害に対応する検査Dです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 検査A ❌ 誤り。検査A(純音聴覚検査や音声言語検査など)は外耳~内耳の感音性障害を診断する検査に該当します。ティンパノメトリーではありません。 2. 検査B ❌ 誤り。検査Bは内耳機能(特に蝸牛の周波数分析能)を評価する検査です。ティンパノメトリーの対象ではありません。 3. 検査C ❌ 誤り。検査Cは前庭機能や三半規管機能(平衡覚)を評価する検査に該当し、中耳評価とは無関係です。 4. 検査D ✅ 正しい。検査Dがティンパノメトリーです。中耳の圧負荷特性を測定し、A型(正常)、As型(耳硬化症:高コンプライアンス)、Ad型(耳小骨連鎖離断:高コンプライアンス)、B型(滲出性中耳炎:平坦)、C型(耳管機能不全:負圧)などを診断できます。 5. 検査E ❌ 誤り。検査Eは聴覚中枢経路(脳幹~大脳皮質)の機能評価(ABR、ASSR等)に該当し、末梢の中耳検査ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 ティンパノメトリーの結果パターン比較表 | パターン | コンプライアンス | 原因疾患 | 臨床特徴 | |---------|---------|---------|---------| | A型(正常) | 正常範囲 | 正常中耳 | 気導・骨導ともに正常 | | As型 | 低下 | 耳硬化症 | 骨導も低下(伝音難聴) | | Ad型 | 高上昇 | 耳小骨連鎖離断 | 骨導は正常(選別可能) | | B型 | 平坦 | 滲出性中耳炎 | 中耳腔の液体貯留 | | C型 | 負圧偏移 | 耳管機能不全 | 一次的な換気障害 | **ティンパノメトリーの基本概念** - 測定部位:外耳道への音圧負荷時のインピーダンス変化 - 評価対象:中耳機能(耳小骨連鎖・鼓膜・耳管) - 左右差がある場合:一側性伝音難聴を検出 - スタンダードティンパノ(226 Hz)が最も一般的 **試験における紛らわしいポイント** - ABR・ASSRは聴覚中枢路検査(脳幹以上)であり、中耳評価ではない - スピーチオージオメトリーは内耳の言語識別能を評価(ティンパノメトリーではない)
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