第23回 言語聴覚士国家試験 第22問
聴覚系第23回
正しいのはどれか。
- 1.蝸牛の内有毛細胞は外有毛細胞より多い。
- 2.蝸牛の奇形は胎生6週以降に発生する。
- 3.半規管の膨大部稜には平衡覚受容器がある。 ✓
- 4.前庭には左右それぞれに3個の耳石器がある。
- 5.新生児の外耳道には軟骨部がない。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 半規管の膨大部稜には平衡覚受容器がある。
膨大部稜(ampullary crest)は半規管の膨大部内に位置する受容器領域で、感覚上皮と有毛細胞を含む平衡覚の重要な受容器です。また耳石器(卵形嚢と球形嚢の斑)も平衡覚受容器ですが、膨大部稜は「特に」半規管における回転加速度検出の主要な受容器として機能するため、この選択肢が最も直接的で正確です。
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【各選択肢の解説】
1. 蝸牛の内有毛細胞は外有毛細胞より多い。
❌ 誤り。蝸牛の有毛細胞の数は「外有毛細胞が内有毛細胞より約3~4倍多い」です。内有毛細胞は約3,500個、外有毛細胞は約12,000個です。内有毛細胞が多いという逆は紛らわしいため注意が必要です。
2. 蝸牛の奇形は胎生6週以降に発生する。
❌ 誤り。蝸牛の奇形は「胎生6週以前」に発生します。蝸牛は胎生3~6週で形成される器官であり、この時期の外胚葉の異常や感染(先天性風疹症候群など)により先天性聴覚障害が生じます。「以降」は時期が遅すぎます。
3. 半規管の膨大部稜には平衡覚受容器がある。
✅ 正しい。膨大部稜は半規管の膨大部内にある感覚上皮で、有毛細胞と支持細胞から構成される平衡覚受容器です。回転加速度を検出する主要器官です。
4. 前庭には左右それぞれに3個の耳石器がある。
❌ 誤り。前庭には「左右それぞれ2個の耳石器」があります。それは卵形嚢の斑(斜面に位置)と球形嚢の斑(水平面に位置)です。3個は誤りで、紛らわしい数値です。
5. 新生児の外耳道には軟骨部がない。
❌ 誤り。新生児の外耳道は「軟骨部と骨部の両者が存在」します。むしろ新生児は外耳道が比較的短く、軟骨部の割合が成人より大きいという特徴があります。軟骨部がないというのは完全な誤りです。
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【試験対策ポイント】
**蝸牛の有毛細胞数(重要)**
| 有毛細胞の種類 | 個数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 内有毛細胞 | 約3,500個 | 少ない、音響情報の主要伝達 |
| 外有毛細胞 | 約12,000個 | 多い、周波数選別性の調節 |
**内耳の受容器領域**
| 受容器 | 位置 | 検出機能 |
|---|---|---|
| 膨大部稜 | 半規管の膨大部 | 回転加速度 |
| 球形嚢の斑 | 球形嚢 | 直線加速度(垂直) |
| 卵形嚢の斑 | 卵形嚢 | 直線加速度(水平)・重力 |
**キーワード**
- 前庭耳石器は「2個」(卵形嚢・球形嚢の斑)
- 蝸牛奇形の形成時期:胎生3~6週(以降ではない)
- 新生児外耳道:軟骨部+骨部あり、成人より短い