第23回 言語聴覚士国家試験 第24問
臨床神経学第23回
45歳男性。ふらつきを主訴に来院した。開眼では立位保持できるが閉眼ではできない。考えられる病巣はどれか。
- 1.視床下核
- 2.小脳半球
- 3.黒質
- 4.被殻
- 5.脊髄後索 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 脊髄後索
閉眼時に立位保持ができなくなる症状は脊髄後索の障害による脊髄後索失調(感覚性失調)の特徴です。脊髄後索は固有感覚(位置覚・振動覚)を伝導し、これが障害されると視覚による代償ができなくなる閉眼時に失調が顕著になります。
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【各選択肢の解説】
1. 視床下核
❌ 誤り。視床下核の障害は不随意運動(振戦・舞踏運動)の原因となり、立位保持時のふらつきパターンとしては非典型的です。
2. 小脳半球
❌ 誤り。小脳障害による失調では開眼・閉眼の区別なくふらつきが生じます。本患者は開眼では立位保持できているため、小脳病巣は考えにくい。
3. 黒質
❌ 誤り。黒質の障害はパーキンソン病を引き起こし、典型的には安静時振戦・筋強剛・運動緩慢が主症状です。ふらつきは主徴ではありません。
4. 被殻
❌ 誤り。被殻はバsal ganglia系の一部で、運動制御(特に不随意運動の抑制)に関わります。被殻障害は舞踏運動やアテトーシスなどの不随意運動を生じ、ふらつきの原因としては非典型的です。
5. 脊髄後索
✅ 正しい。開眼では視覚情報で立位を代償できるが、閉眼時に視覚が遮断されると固有感覚欠損が顕著になり立位保持不可となります。これは脊髄後索失調(Romberg徴候陽性)の典型的な臨床像です。
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【試験対策ポイント】
Romberg徴候陽性(開眼OK・閉眼NG)の鑑別図
| 病巣 | 開眼 | 閉眼 | 機序 |
|---|---|---|---|
| 脊髄後索 | 立位保持可 | 立位保持不可 | 視覚で固有感覚欠損を代償 |
| 小脳 | 立位保持困難 | さらに困難 | 運動制御自体の障害 |
| 末梢神経 | 立位保持可 | 立位保持不可 | 固有感覚欠損(脊髄後索と同機序) |
キーワード整理
・脊髄後索:固有感覚(位置覚・振動覚)を伝導
・脊髄後索失調の特徴:Romberg徴候陽性・閉眼時悪化
・小脳失調:開閉眼に関わらず障害(眼振・指鼻試験障害も伴う)
・感覚性失調(後索)vs 小脳性失調の鑑別が頻出