第23回 言語聴覚士国家試験 第28問
心理測定法第23回
測定の方法と名称との組合せで誤っているのはどれか。
- 1.刺激に対する感覚量を数値で報告させる。 ――― マグニチュード推定法
- 2.二つの刺激を呈示して択一判断を求める。 ――― 一対比較法
- 3.多数の形容詞を用いて刺激の程度を評定させ ――― SD法(Semantic Differential法)
- 4.設定した段階を示しながら刺激を評定させる。 ――― 評定尺度法
- 5.刺激を系列的に呈示して感覚量を評定させる。 ――― 順位法(品等法) ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 刺激を系列的に呈示して感覚量を評定させる。 ――― 順位法(品等法)
順位法(品等法)は、複数の刺激を同時に呈示して「最も好ましい順」など相対的な順序を付けさせる方法です。系列的(順序立てて1つずつ)に呈示する説明は誤りで、むしろ複数刺激の「比較順序付け」が正確な定義です。
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【各選択肢の解説】
1. 刺激に対する感覚量を数値で報告させる。 ――― マグニチュード推定法
✅ 正しい。被験者が刺激の主観的強度を直接数値で報告する方法です。例えば「この音の大きさは『100』だとすると、この音はいくつ?」と答えさせます。Stevens の方法として心理物理学の主流手法です。
2. 二つの刺激を呈示して択一判断を求める。 ――― 一対比較法
✅ 正しい。2つの刺激のペアを呈示し、「どちらが大きいか」「どちらが好きか」など二者択一で判断させます。すべての組み合わせを反復すれば完全な順序付けが可能です。
3. 多数の形容詞を用いて刺激の程度を評定させ ――― SD法(Semantic Differential法)
✅ 正しい。「良い―悪い」「美しい―醜い」など対語をセマンティック・スケール上に配置し、刺激に対する印象を多面的に測定します。Osgood が開発した古典的手法です。
4. 設定した段階を示しながら刺激を評定させる。 ――― 評定尺度法
✅ 正しい。「1=全く同意しない~5=非常に同意する」など事前に用意した段階(リッカート尺度など)を提示し、刺激をその中に位置付けさせます。
5. 刺激を系列的に呈示して感覚量を評定させる。 ――― 順位法(品等法)
❌ 誤り。順位法は複数刺激を「同時に並べて呈示」し、その相対的な順序(ランキング)を付けさせる方法です。系列的(逐次呈示)という説明は該当しません。
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【試験対策ポイント】
心理測定法の主要5手法の比較
| 手法名 | 刺激呈示 | 回答方法 | 測定内容 |
|---|---|---|---|
| マグニチュード推定法 | 単一刺激(逐次) | 数値で直接報告 | 主観的強度 |
| 一対比較法 | 2刺激ペア(反復) | 二者択一判断 | 刺激間の相対関係 |
| SD法 | 単一刺激 | 対語スケール評定 | 刺激の意味的印象 |
| 評定尺度法 | 単一刺激 | 段階尺度に位置付け | 刺激の主観的程度 |
| 順位法 | 複数刺激同時呈示 | 順位付け | 刺激の相対的順序 |
紛らわしい点:「系列的呈示」の誤認
・「系列的」=逐次呈示(1つずつ順番に)→ マグニチュード推定法、等間隔法に該当
・「同時呈示」→ 順位法(複数を一度に見せて順序付け)が該当
→ 順位法で「系列的」と言うのは原義に合わない
頻出:一対比較法との混同
・一対比較法:2刺激ペア
・順位法:3刺激以上を一度に呈示