第23回 言語聴覚士国家試験 第29問
心理測定法第23回
測定値の尺度水準と分析との組合せで誤っているのはどれか。
- 1.名義尺度 ――― 平均 ✓
- 2.名義尺度 ――― 検定
- 3.名義尺度 ――― 最頻值
- 4.順序尺度 ――― 中央値
- 5.順序尺度 ――― 相関係数
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 名義尺度 ――― 平均
名義尺度は「カテゴリー分類」のみが可能であり、数値の大小関係が成立しないため、加算や平均を求めることは統計学的に無意味です。名義尺度に対して代表値を用いるなら、最頻値のみが適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 名義尺度 ――― 平均
❌ 誤り。名義尺度は数値の加減や大小比較が意味をなさないため、平均値を計算することは統計学的に無意味です。例えば、血液型(A・B・O・AB型)を1・2・3・4と符号化して平均を求めても何の情報価値もありません。
2. 名義尺度 ――― 検定
✅ 正しい。名義尺度のデータ分析には、カテゴリー間の度数を比較するカイ二乗検定(χ2検定)が適切です。カテゴリー分類のみのデータでも、度数分布の分析は可能です。
3. 名義尺度 ――― 最頻値
✅ 正しい。最頻値(モード)はもっとも出現頻度の高いカテゴリーを示すもので、名義尺度の唯一有効な代表値です。大小関係を仮定しないため、どのカテゴリーに該当するかの把握に用いられます。
4. 順序尺度 ――― 中央値
✅ 正しい。順序尺度(例:良い<普通<悪い、軽度<中等度<重度)は大小関係が成立するため、中央値(メジアン)の算出が有効です。ただし平均値は不適切です。
5. 順序尺度 ――― 相関係数
✅ 正しい。順序尺度の相関を評価する場合は、ピアソンの相関係数ではなくスピアマンの順位相関係数(ρ)やケンドールの順位相関係数(τ)を用います。順序関係を適切に反映した分析が可能です。
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【試験対策ポイント】
| 尺度水準 | 例 | 適用可能な統計量 | 適用不可 |
|---|---|---|---|
| 名義尺度 | 血液型、性別、診断名 | 最頻値、度数、χ2検定 | 平均、中央値、相関係数 |
| 順序尺度 | 障害程度等級、重症度 | 最頻値、中央値、順位相関 | 平均、ピアソン相関 |
| 間隔尺度 | 気温、標準化スコア | 平均、標準偏差、t検定 | なし(ただし比率は無意味) |
| 比率尺度 | 身長、体重、血中酸素濃度 | すべての統計量 | なし |
キーワード:
- 名義尺度 = カテゴリー分類のみ(符号化は便宜上)
- 平均を求めるには「間隔尺度以上」が必須
- 順序尺度は「大小関係あり」→ 中央値・順位相関が有効
- 「名義尺度+平均」は医学統計の典型的な誤りパターン