第23回 言語聴覚士国家試験 第34問
生涯発達心理学第23回
幼児の行動のうち、心の理論が不可欠なのはどれか。
a.友達とごっこ遊びをする。
b.親に反抗する。
c.友達にあいさつする。
d.大人に甘える。
e.相手に分かるように話す。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
心の理論とは、他者が独立した心を持つこと、および他者の心の状態(信念・欲求・意図など)が自分と異なる可能性があることを理解する能力です。幼児期(3~4歳以降)に発達し、他者の行動を予測・理解する際に不可欠です。選択肢aと eはいずれも相手の心の状態を考慮する必要があり、心の理論が不可欠です。
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【各選択肢の解説】
a. 友達とごっこ遊びをする。
✅ 正しい。ごっこ遊びは「自分はこの役だが、本当はこう思っている」「友達はこの役をどう思って演じているか」という複数の心の状態を同時に理解する必要があります。相手の意図や知識の状態を推測する能力(心の理論)が不可欠です。
b. 親に反抗する。
❌ 誤り。親への反抗は「自分の欲求が親の指示と異なる」という単純な欲求の対立であり、相手の心の状態を理解する必要がありません。むしろ自分の欲求主張が中心で、心の理論を前提としません。
c. 友達にあいさつする。
❌ 誤り。挨拶は社会的ルール・習慣として習得・実行されるもので、相手の心の状態を特に考慮する必要がありません。儀礼的な行動であり、心の理論は不要です。
d. 大人に甘える。
❌ 誤り。甘えは自分の欲求(注目・慰め)を表現する行動で、相手の心的状態を理解する必要がありません。愛着行動として発達段階の早い時期から見られます。
e. 相手に分かるように話す。
✅ 正しい。「相手は私の言葉から何を理解するか」「相手はどのような背景知識を持っているか」「相手が分からない場合は説明を追加すべき」という相手の心的状態(知識・理解度)を考慮する必要があります。相手の視点を取る能力(心の理論の中核)が不可欠です。
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【試験対策ポイント】
心の理論が必要な行動の特徴:
- 他者の信念・知識・意図を推測する必要がある
- 自分と相手の心の状態が異なることを前提とする
- メンタライジング(心を読む)を要求する行動
| 行動例 | 心の理論が必要か | 理由 |
|---|---|---|
| ごっこ遊び | 必要 | 複数の心的状態を同時に管理 |
| 相手に合わせた説明 | 必要 | 相手の知識状態を考慮 |
| 嘘をつく | 必要 | 相手が別の信念を持つことを利用 |
| 親への反抗 | 不要 | 自分の欲求表現のみ |
| 習慣的な挨拶 | 不要 | ルール遵行 |
| 甘え | 不要 | 愛着行動 |
心の理論の発達段階:
- 3歳半~4歳:誤った信念課題(Sally-Anne課題)をクリア
- 4~5歳:心の理論がほぼ確立
- これ以前:自分中心的な視点のみ→相手の異なる心を理解できない