STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第40問

音響学第23回
音波について正しいのはどれか。 a.水中では伝わらない。 b.壁があると反射を起こす。 c.つい立ての裏側にも回り込む。 d.カーテンがあると吸音される。 e.両側が開いた管では共鳴は起きない。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
第23回第40問 図

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — b,c,d 音波の物理的性質に関する問題です。壁での反射、つい立ての回折、カーテンの吸音という音響現象の基本を理解することが重要です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 水中では伝わらない。 ❌ 誤り。音波は水中でも伝わります。むしろ水中では空気中よりも伝搬速度が速く(約1,500m/s)、音の減衰も小さいため、より遠くまで伝わります。水中動物のコミュニケーションや医学用の超音波検査が水中で使用される根拠です。 b. 壁があると反射を起こす。 ✅ 正しい。硬い壁面は音波をよく反射します。音波が壁に到達すると、その多くが壁面で反射されます。これは音響現象として最も基本的な原理で、例えば残響音や音の反響はこの反射によって生じます。 c. つい立ての裏側にも回り込む。 ✅ 正しい。つい立ては高さや幅が限定されているため、音波はその上や側面を迂回して進むことができます。これを回折(diffraction)と呼びます。音波の波長は光よりも長いため、回折現象が顕著に起こります。 d. カーテンがあると吸音される。 ✅ 正しい。カーテンの生地には多くの空隙や繊維構造があり、入射した音波がこれらに吸収されます。これを吸音特性と呼び、室内音響改善で重要な役割を果たします。 e. 両側が開いた管では共鳴は起きない。 ❌ 誤り。両側が開いた管(開放管)でも共鳴は起きます。開放管では管の両端が腹(振幅最大)となり、音速をv、管長をL、周波数をfとするとf=nv/(2L)(n=1,2,3…)で共鳴周波数が決定されます。パイプオルガンの多くのパイプが開放管です。 --- 【試験対策ポイント】 | 音響現象 | 説明 | 具体例 | |---|---|---| | 反射 | 硬い面で音波が戻される | 壁、床、天井 | | 回折 | 音波が障害物の周りを曲がる | つい立て、柱 | | 吸音 | 多孔質材料が音を吸収 | カーテン、断熱材、布製品 | | 透過 | 音が障害物を通り抜ける | 薄い壁、戸 | | 管の種類 | 両端の状態 | 共鳴式 | 基本周波数 | |---|---|---|---| | 開放管 | 両端開放 | f = nv/(2L) | f = v/(2L) | | 閉鎖管 | 片端閉鎖 | f = nv/(4L) | f = v/(4L) | 重要な否定知識: ・音波は物質を媒体とするため水中でも伝わる(電磁波と異なる) ・開放管でも共鳴が生じる(よく誤認される)
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