第23回 言語聴覚士国家試験 第47問
言語発達学第23回
発達過程における象徴機能を示す行動はどれか。
- 1.帽子を手渡すとかぶる。
- 2.人の顔を見つめて微笑む。
- 3.いろいろな種類の猫をなでる。
- 4.積木を持って車のように動かす。 ✓
- 5.目の前で布で覆った玩具を布から取り出す。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 積木を持って車のように動かす
象徴機能とは、あるものが別のもの(観念・事象など)を表現するようになる認知能力です。積木という現物が「車」という別物を表現する行動は、典型的な象徴機能の発達を示しています。この能力は生後18〜24ヶ月頃に萌芽し、ごっこ遊びを通じて発達します。
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【各選択肢の解説】
1. 帽子を手渡すとかぶる
❌ 誤り。これは「習慣的行動」または「物体への適応的使用」です。物体の通常の機能を理解して操作する能力であり、象徴機能を必要としません。
2. 人の顔を見つめて微笑む
❌ 誤り。これは「社会的微笑」であり、生後3〜5ヶ月から見られる社会的相互作用です。象徴性を伴いません。
3. いろいろな種類の猫をなでる
❌ 誤り。これは「カテゴリー化」または「概念的分類」の発達を示していますが、象徴機能とは異なります。複数の事例から共通属性を抽出する能力です。
4. 積木を持って車のように動かす
✅ 正しい。積木という現物が「車」という別の観念を象徴する行動です。これはピアジェの認知発達段階における「前操作期(18ヶ月〜7歳)」の典型的特徴であり、象徴遊び(ごっこ遊び)の形態です。
5. 目の前で布で覆った玩具を布から取り出す
❌ 誤り。これは「対象の永続性」(物体が隠れても存在し続けることの理解)を示しており、生後8〜12ヶ月に獲得される能力です。象徴機能ではなく、感覚運動期の到達点です。
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【試験対策ポイント】
象徴機能の発達段階
| 段階 | 月齢 | 特徴 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 感覚運動期 | 0〜18ヶ月 | 対象永続性の獲得 | 布で覆われた玩具を探す |
| 象徴機能の萌芽 | 18〜24ヶ月 | 遅延模倣・ごっこ遊びの開始 | 積木を車に見立てる |
| 象徴遊び本格化 | 24〜36ヶ月 | 複雑な役割遊び・ごっこ遊び | おままごと・医者ごっこ |
| 規則のある遊び | 3〜6歳 | 象徴遊びから規則遊びへ移行 | 鬼ごっこ・かくれんぼ |
象徴機能と区別すべき概念
- **物体の機能的使用**:帽子をかぶるなど、物の本来の用途を理解する(象徴機能不要)
- **カテゴリー化**:複数の猫を「猫」として認識する分類能力
- **対象永続性**:目に見えない物体の存在を理解する(象徴機能と異なる)
- **社会的相互作用**:微笑みなどの対人反応(象徴性を伴わない)
象徴機能が示す時期
- 遅延模倣(見たことを後で再現):18ヶ月頃
- 象徴遊び(ごっこ遊び)の開始:18〜24ヶ月
- 語彙爆発との連動:18ヶ月頃に同時に出現することが多い