STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第53問

言語聴覚障害総論第23回
選別検査はどれか。
  1. 1.VHI
  2. 2.GRBAS評価
  3. 3.自動ABR ✓
  4. 4.DN-CAS
  5. 5.SLTA

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 自動ABR 自動ABR(自動聴性脳幹反応)は、乳幼児を含む対象者の協力度に依存せず、他覚的に聴力を検査できる選別検査です。新生児聴覚選別検査の標準的な検査法として、全国の出生地で実施されており、正常か異常かの分類に最適な特性を持ちます。 --- 【各選択肢の解説】 1. VHI(音声障害指数) ❌ 誤り。VHIは嗄声患者の自覚的症状と心理社会的影響を測定する評価スケールであり、診断検査です。選別検査ではなく、すでに音声障害が疑われた患者に対する詳細評価に用いられます。 2. GRBAS評価 ❌ 誤り。GRBAS評価(Grade、Roughness、Breathiness、Asthenia、Strain)は音声の聴覚心理学的評価法で、音声障害の詳細な特性を記述する診断検査です。嗄声患者の音質を詳しく分析する目的であり、スクリーニング段階では使用されません。 3. 自動ABR ✅ 正しい。自動ABRは聴覚脳幹反応を客観的に記録し、反応の有無を自動判定する検査です。被検者の反応や協力を必要としない対他覚的検査として、新生児・乳幼児を含む全年代の聴力選別に適しており、正常/異常の一次判定に最適です。 4. DN-CAS(注意・認知処理評価システム) ❌ 誤り。DN-CASは認知能力、特に注意・認知処理能力を診断する検査で、学習障害や発達障害の詳細評価に用いられます。診断検査であり、スクリーニング段階の選別検査ではありません。 5. SLTA(標準言語テスト) ❌ 誤り。SLTAは失語症患者の言語機能を詳細に評価する総合検査で、診断検査です。失語症の有無を広く確認する選別検査ではなく、失語症が疑われた患者に対する詳しい言語機能評価に用いられます。 --- 【試験対策ポイント】 選別検査 vs 診断検査の区別 | 項目 | 選別検査 | 診断検査 | |---|---|---| | 目的 | 正常/異常の一次判定 | 障害の詳細評価・分類 | | 実施対象 | 一般集団(スクリーニング) | 障害が疑われる者 | | 実施環境 | 簡便(学校健診など) | 専門施設 | | 検査時間 | 短時間 | 長時間 | | 必要な協力度 | 低い~中程度 | 高い | | 判定結果 | 「異常なし」「再検査」 | 「診断」「重症度分類」 | 聴力選別検査の特徴 - 新生児選別:自動ABR(標準検査) - 幼児健診:スピーカテスト・遊戯聴力検査(行動観察) - 学童健診:標準純音聴力検査・簡易聴力検査 - ABRの利点:睡眠中でも実施可、協力度不要、客観的データ 紛らわしい検査の分類 - 音声関連:VHI、GRBAS → 診断検査 - 言語関連:SLTA → 診断検査 - 認知関連:DN-CAS → 診断検査 - 聴力関連:自動ABR → 選別検査
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