第23回 言語聴覚士国家試験 第54問
心理測定法第23回
正しいのはどれか。
- 1.平均値は代表値の一種である。 ✓
- 2.最頻値は分布のばらつきの程度を表す。
- 3.標準化されていない臨床検査は用いるべきでない。
- 4.同一の対象者の偏差知能指数と知能偏差値の数値は一致する。
- 5.統計的仮説検定では、帰無仮説が棄却された場合に対立仮説が真であると証明される。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 平均値は代表値の一種である。
平均値は、データ全体を最もよく代表する単一の値(代表値)です。代表値には平均値の他に中央値(メディアン)と最頻値(モード)があり、これら3つはいずれもデータの中心的傾向を示す統計量として位置づけられています。
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【各選択肢の解説】
1. 平均値は代表値の一種である。
✅ 正しい。平均値は代表値(データ全体を代表する単一の値)の典型例です。他の代表値として中央値と最頻値があります。ST検査の標準化では平均値50・標準偏差10の分布を基準にすることが多いため、この理解は重要です。
2. 最頻値は分布のばらつきの程度を表す。
❌ 誤り。最頻値も代表値の一種であり、データの中心的傾向を示すものです。分布のばらつきの程度を表すのは「分散」「標準偏差」「範囲」などの散布度です。最頻値と散布度を混同しないこと。
3. 標準化されていない臨床検査は用いるべきでない。
❌ 誤り。過度な制限です。標準化されていない検査でも、信頼性・妥当性が確認されていたり、個別の臨床判断に有用であったりすれば活用できます。ただし結果解釈には注意が必要で、規範参照評価ではなく個人内評価や比較評価に用いることが多いです。
4. 同一の対象者の偏差知能指数と知能偏差値の数値は一致する。
❌ 誤り。異なる概念です。偏差知能指数(IQ)は平均100・標準偏差15、知能偏差値は平均50・標準偏差10で計算されます。同じ標準得点でも基準が異なるため、数値は一致しません。
5. 統計的仮説検定では、帰無仮説が棄却された場合に対立仮説が真であると証明される。
❌ 誤り。重要な否定知識です。帰無仮説が棄却されたからといって、対立仮説が「真である」と証明されたわけではありません。p値が0.05未満であれば「帰無仮説である可能性は低い」と判断するだけであり、対立仮説が統計的に有意に支持される、という表現が正確です。
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【試験対策ポイント】
代表値と散布度の整理
| 統計量 | 定義 | 用途 |
|---|---|---|
| **代表値** | データの中心的傾向を示す | |
| 平均値 | 全データの合計÷個数 | 最も一般的。外れ値に影響される |
| 中央値 | データを順序づけたときの中央 | 外れ値の影響に強い |
| 最頻値 | 最も頻繁に出現するデータ | 名義尺度にも使える |
| **散布度** | データのばらつきを示す | |
| 分散 | 偏差二乗の平均 | 計算の中間過程として使用 |
| 標準偏差 | 分散の平方根 | ST検査で最重要(例:平均50、SD10) |
| 範囲 | 最大値-最小値 | 最も単純な指標 |
標準化スコアの換算式と基準
| スコア | 平均 | 標準偏差 | 式 |
|---|---|---|---|
| 偏差知能指数(IQ) | 100 | 15 | (実IQ−100)×(15/SD)+100 |
| 知能偏差値 | 50 | 10 | (実スコア−平均)÷SD×10+50 |
| Z得点 | 0 | 1 | (スコア−平均