STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第60問

失語症第23回
失語症患者で「ねこ」と言われて猫の絵を指させないとき、優先度の低い評価項目はどれか。 a.語音認知 b.統語理解 c.モーラ分解 d.語彙性判断 e.絵のカテゴリー分類| 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c 「ねこ」と言われて猫の絵を指させない場合、この失敗は受動語彙(聞いた単語を理解して対象物を同定する能力)の障害を示しています。この機能障害の原因を特定するために優先度の高い評価と低い評価を整理することが重要です。優先度が低い項目は、この課題失敗の直接的な原因にはなりにくいものです。 --- 【各選択肢の解説】 a. 語音認知 ✅ 優先度が高い。「ねこ」という音声信号が正確に認知されているかは、単語理解の最初の段階です。語音認知障害があれば、その先の意味処理に進めません。 b. 統語理解 ❌ 優先度が低い。「ねこ」は単語レベルの刺激であり、統語構造(文の文法的構造)とは無関係です。統語理解は複数の単語からなる文や句の理解に関わるため、この単語レベルの課題では評価の必要性が低いです。 c. モーラ分解 ❌ 優先度が低い。「ねこ」を「ね」「こ」に分解する能力は、音韻認識のメタ認知スキルです。しかし単語を理解して対象を指す課題には直接影響しません。むしろ言語遊びや読み書き支援に関連する能力です。 d. 語彙性判断 ✅ 優先度が高い。「ねこ」が実際に存在する言葉なのか(vs造語)を判定する能力です。これが障害されると、正当な単語でも意味へのアクセスが失敗する可能性があります。 e. 絵のカテゴリー分類 ✅ 優先度が高い。患者が猫という概念を持っているか、複数の絵から対象を同定できるかの検査です。意味理解と視覚的対応能力の確認に必須です。 --- 【試験対策ポイント】 検査の優先度の考え方:認知心理学的な「処理段階」に沿って整理 | 段階 | 評価項目 | 優先度 | 理由 | |---|---|---|---| | 1.音声入力 | 語音認知 | 高 | 最初のボトルネック。ここが障害されると全て失敗 | | 2.意味へのアクセス | 語彙性判断 | 高 | 単語が存在する言葉か?の確認 | | 3.概念理解 | 絵のカテゴリー分類 | 高 | 猫という概念を持っているか | | 4.文法処理 | 統語理解 | 低 | 単語レベル課題には不要 | | 5.音韻メタ認知 | モーラ分解 | 低 | 読み書きに関わる。理解課題では二次的 | 重要否定知識: - 「モーラ分解ができない」≠「単語が理解できない」 - 「統語理解が悪い」≠「単語の意味理解が悪い」 - 単語理解課題では「文法」「音韻メタ認知」は周辺的
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