第23回 言語聴覚士国家試験 第64問
高次脳機能障害第23回
認知症のアプローチとして使われることが少ないのはどれか。
- 1.リアリティ・オリエンテーション
- 2.社会資源の利用
- 3.間隔伸張法 ✓
- 4.環境調節
- 5.回想法
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 間隔伸張法
間隔伸張法は新たな学習・記憶形成を目的とした方法であり、認知症患者は既に獲得済みの長期記憶が廃用性に失われていくプロセスであるため、この方法の効果が限定的です。認知症のアプローチは「現存機能の活用」と「環境・関係性の調整」に重点が置かれるため、新規学習促進方法は使用頻度が低くなります。
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【各選択肢の解説】
1. リアリティ・オリエンテーション
✅ 正しい。時間・場所・人物に関する見当識を高めるため、繰り返し情報提供し現実への接続を強化する方法。認知症の行動心理症状(BPSD)軽減や安定に有効で、認知症ケアの基本的アプローチです。
2. 社会資源の利用
✅ 正しい。デイサービス・訪問介護・介護施設など社会資源の活用により、患者の生活環境を整備し、介護者の負担軽減と生活の質向上を図る方法。認知症患者の在宅生活継続に必須です。
3. 間隔伸張法
❌ 誤り(使用頻度が少ない)。学習項目を段階的に長い間隔で反復提示し、記憶定着を図る方法です。認知症患者は新規学習が困難かつ記憶障害が進行性であるため、この方法の効果は限定的であり、認知症ケアにおいて積極的に使用されません。
4. 環境調節
✅ 正しい。照度・騒音・温度などの物理的環境、および家具配置や見守り体制などの人的環境を整備し、患者の混乱や不安を軽減する方法。認知症ケアの重要な柱です。
5. 回想法
✅ 正しい。過去の経験や思い出を想起・語ることで、自己肯定感や精神的安定をもたらす方法。認知症患者は遠い過去の記憶が比較的保持されているため、回想法は認知症ケアで広く活用されます。
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【試験対策ポイント】
認知症アプローチの分類:
| アプローチ | 内容 | 使用頻度 |
|---|---|---|
| リアリティ・オリエンテーション | 見当識改善・現実への接続 | 高い |
| 回想法 | 過去の思い出・経験の活用 | 高い |
| 環境調節 | 物理的・人的環境の整備 | 高い |
| 社会資源の利用 | 介護サービス・施設の活用 | 高い |
| **間隔伸張法** | **新規学習・記憶定着** | **低い** |
キーワード:
- 間隔伸張法:「新規学習促進」が目的 → 認知症では新たに学べない
- 認知症ケアの原則:現存機能活用・環境調整・関係性重視