第23回 言語聴覚士国家試験 第7問
内科学第23回
消化器疾患と発症リスクとの組合せで誤っているのはどれか。
- 1.食道癌 ――― 喫煙
- 2.胃潰瘍 ――― 非ステロイド系消炎鎮痛薬
- 3.慢性胃炎 ――― ヘリコバクター・ピロリ菌感染
- 4.食道静脈瘤 ――― 門脈压亢進
- 5.潰瘍性大腸炎 ――― アルコール ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 潰瘍性大腸炎 ――― アルコール
潰瘍性大腸炎はアルコール摂取が発症リスク因子ではありません。むしろ潰瘍性大腸炎の発症原因は自己免疫機序や遺伝的素因が主とされており、アルコールは有意な因果関係がありません。他の4つはいずれも確立された医学的因果関係があります。
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【各選択肢の解説】
1. 食道癌 ――― 喫煙
✅ 正しい。喫煙は食道癌(特に扁平上皮癌)の最大の環境リスク因子です。喫煙者は非喫煙者の約3~4倍の発症リスクを示します。飲酒との相加作用でさらにリスクが高まります。
2. 胃潰瘍 ――― 非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)
✅ 正しい。NSAIDs(アスピリンやイブプロフェンなど)は胃潰瘍の重要な原因です。高齢者がNSAIDsを使用する場合、H.ピロリ菌感染より胃潰瘍原因として頻度が高くなっています。
3. 慢性胃炎 ――― ヘリコバクター・ピロリ菌感染
✅ 正しい。H.ピロリ菌感染は慢性活動性胃炎の主要な原因です。国際的には胃炎分類(Sydney分類)においてH.ピロリ感染が慢性胃炎の最も重要な因子として位置付けられています。
4. 食道静脈瘤 ――― 門脈圧亢進
✅ 正しい。食道静脈瘤は門脈圧亢進(主に肝硬変による)の直接的な合併症です。門脈圧が正常値の1.5倍以上に上昇すると静脈瘤形成のリスクが増加します。
5. 潰瘍性大腸炎 ――― アルコール
❌ 誤り。潰瘍性大腸炎の発症リスクはアルコール摂取ではありません。本疾患は自己免疫が主要メカニズムであり、遺伝的素因と環境因子の複合作用によります。アルコール摂取は患者の症状増悪因子になる可能性はありますが、発症リスク因子としては確立されていません。
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【試験対策ポイント】
消化器疾患の発症リスク因子一覧
| 疾患 | 確立されたリスク因子 |
|---|---|
| 食道癌 | 喫煙、飲酒、熱い飲食物、NBI |
| 胃癌 | H.ピロリ菌感染、喫煙、塩辛い食事 |
| 胃潰瘍 | NSAIDs、H.ピロリ菌感染 |
| 慢性胃炎 | H.ピロリ菌感染 |
| 食道静脈瘤 | 門脈圧亢進(肝硬変) |
| 潰瘍性大腸炎 | 自己免疫、遺伝的素因 |
| クローン病 | 喫煙(悪化因子) |
| 肝硬変 | HCV・HBV感染、アルコール |
誤選択の理由:潰瘍性大腸炎はアルコール関連疾患と混同されやすい。確かに患者がアルコール摂取で症状悪化することはありますが、これは誘発因子であって発症リスク因子ではありません。