第23回 言語聴覚士国家試験 第73問
言語発達障害学第23回
学校における合理的配慮について誤っているのはどれか。
- 1.インクルーシブ教育の実現のために必要である。
- 2.障害者差別解消法によって規定された。
- 3.学校の負担の程度に関わらず必要な便宜を図る。 ✓
- 4.当事者から援助を求める意思表示があった場合は対応する。
- 5.社会的な障壁を取り除き社会参加しやすくする。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 学校の負担の程度に関わらず必要な便宜を図る。
合理的配慮は「過度な負担がない限り」実施義務があるとされており、学校の負担の程度は配慮実施の判断基準になります。3番の記述は「負担の程度に関わらず」と絶対化しており、これは誤りです。障害者差別解消法第8条では「実行可能な限り」という条件が付されています。
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【各選択肢の解説】
1. インクルーシブ教育の実現のために必要である。
✅ 正しい。インクルーシブ教育は「すべての児童生徒が等しく学べる環境」を実現するもので、合理的配慮はその具体的な実施手段です。合理的配慮なしにインクルーシブ教育は成立しません。
2. 障害者差別解消法によって規定された。
✅ 正しい。障害者差別解消法(2016年施行)第8条で、行政機関及び事業者による合理的配慮が法的義務として規定されています。学校も事業者に含まれます。
3. 学校の負担の程度に関わらず必要な便宜を図る。
❌ 誤り。合理的配慮は「過度な負担がない限り」という条件付きです。障害者差別解消法では「実行可能な限り」と明記されており、学校の経済的・人的負担が著しく大きい場合は別途協議の対象となります。
4. 当事者から援助を求める意思表示があった場合は対応する。
✅ 正しい。合理的配慮は障害のある本人(または保護者)が援助を必要とすることを申し出た際に、学校側が対応する義務があります。ただし単なる希望ではなく「合理的配慮の必要性」の協議が前提です。
5. 社会的な障壁を取り除き社会参加しやすくする。
✅ 正しい。合理的配慮の本質は「社会的障壁(構造的・制度的・観念的)の除去」です。結果として障害のある児童生徒の教育参加と学習機会の保障が実現します。
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【試験対策ポイント】
合理的配慮と過度な負担の関係:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 障害者が教育を受ける際に必要な便宜・支援 |
| 法的根拠 | 障害者差別解消法第8条 |
| 実施義務の条件 | 「過度な負担」がない限り義務 |
| 過度な負担の判断基準 | 経済的負担・人的資源・実行可能性など総合判断 |
| 当事者の役割 | 援助の必要性を学校に申し出る(権利) |
| 学校の役割 | 要請に応じて協議し適切な配慮を実施 |
頻出の紛らわしい点:
- 「配慮は義務」(法的根拠あり)VS「無制限ではない」(負担が大きい場合は協議対象)
- 「当事者の申し出が起点」(学校の一方的判断ではない)
- 「障害者差別解消法」と「障害者権利条約」は異なる法源