第23回 言語聴覚士国家試験 第81問
機能性構音障害第23回
側音化構音に対する指導で正しいのはどれか。
a.音声環境を利用する。
b.語音弁別訓練を実施する。
c.異常な舌運動を除去する。
d.構音位置づけ法を用いる。
e.鏡を用いて視覚的にフィードバックする。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — c,d,e
側音化構音は舌が中央の気流路を塞ぐことができず、気流が舌の側方を通過する音声障害です。指導では異常な舌運動パターンの修正、構音位置の具体的な学習、および視覚的フィードバックが有効です。
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【各選択肢の解説】
a. 音声環境を利用する。
❌ 誤り。側音化構音は音声環境(良好な音声モデルの提示)だけでは改善しません。発達段階で自然に獲得される機能的構音障害とは異なり、舌の中央気流を形成する具体的な構音指導が必要です。
b. 語音弁別訓練を実施する。
❌ 誤り。側音化構音では聴覚弁別能力は正常です。問題は産出時の舌運動パターンであり、聴く能力を高める弁別訓練は根本的解決にならません。舌運動の矯正が優先です。
c. 異常な舌運動を除去する。
✅ 正しい。側音化構音の本質は舌が中央に盛り上がらず、側方に落ち込む異常な舌運動パターンです。この運動パターンを除去・矯正することが治療の中心となります。
d. 構音位置づけ法を用いる。
✅ 正しい。構音位置づけ法(舌位置や口唇形状を具体的に指導する方法)は、舌を正中線上に盛り上げるための直接的な指導として極めて有効です。側音化の矯正に最適です。
e. 鏡を用いて視覚的にフィードバックする。
✅ 正しい。鏡による視覚的フィードバックにより、児童は自分の舌位置を確認でき、正常な舌運動の獲得を促進します。特に側音化では舌側方への落ち込みが視認しやすく、修正を強化できます。
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【試験対策ポイント】
機能性構音障害の治療戦略:
| 指導方法 | 側音化構音への適用 | 理由 |
|---|---|---|
| 音声環境 | 不十分 | 聴く環境だけでは舌運動の異常は改善されない |
| 弁別訓練 | 不適切 | 弁別能力が正常のため、聴覚入力では不十分 |
| 舌運動矯正 | 必須 | 異常な舌側方落ち込みパターンを除去する基本 |
| 構音位置づけ法 | 有効 | 舌位置・口唇形状を具体的に指導する直接法 |
| 視覚的FB | 有効 | 鏡で舌位置を視認し、運動学習を促進 |
キーワード:
- 側音化構音=舌の中央気流形成不全+側方気流
- 治療の基本=舌運動パターンの矯正(直接法)
- 聴覚弁別は正常=聞く能力ではなく「産出する能力」の問題