第23回 言語聴覚士国家試験 第86問
嚥下障害第23回
嚥下機能改善手術はどれか。
a.喉頭拳上術
b.声門閉鎖術
c.喉頭全摘出術
d.喉頭期間分離術
e.輪状咽頭筋切断術
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e(喉頭拳上術と輪状咽頭筋切断術)
嚥下機能改善手術とは、嚥下障害患者の機能的改善を目的とした手術です。喉頭拳上術は喉頭を挙上させて咽頭期の嚥下機能を改善し、輪状咽頭筋切断術は咽頭弛緩期の圧を低下させることで嚥下を容易にします。これらは機能改善を直接的に目指す手術です。一方、声門閉鎖術・喉頭全摘出術・喉頭期間分離術は誤嚥防止を目的とする手術であり、嚥下機能改善を目的としていません。
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【各選択肢の解説】
a. 喉頭拳上術
✅ 正しい。喉頭を頤骨方向に挙上させ、咽頭と喉頭の相対的位置を改善して咽頭期の嚥下を容易にします。機能改善手術の代表的な術式です。
b. 声門閉鎖術
❌ 誤り。声門を部分的に閉鎖して誤嚥を防止する手術であり、嚥下機能を改善するものではなく、誤嚥防止が目的です。
c. 喉頭全摘出術
❌ 誤り。喉頭癌などで喉頭を完全に摘出する手術で、誤嚥防止を目的とします。嚥下機能改善ではなく、機能を失わせることで誤嚥防止を図る手術です。
d. 喉頭期間分離術
❌ 誤り。喉頭と気管を解剖学的に分離する手術で、誤嚥防止を目的とします。嚥下経路を食道のみにすることで、呼吸と嚥下の分離を図ります。機能改善ではなく誤嚥防止術です。
e. 輪状咽頭筋切断術
✅ 正しい。咽頭弛緩期(UES:上食道括約筋の領域)の圧力抵抗を低下させて、嚥下を容易にする機能改善手術です。脳卒中後遺症や神経筋疾患による嚥下障害で適応があります。
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【試験対策ポイント】
嚥下関連手術の分類(重要):
| 手術名 | 目的 | 適応 |
|---|---|---|
| 喉頭拳上術 | 機能改善 | 咽頭期障害・遅延 |
| 輪状咽頭筋切断術 | 機能改善 | UES弛緩不全 |
| 声門閉鎖術 | 誤嚥防止 | 重度の誤嚥・余命限定 |
| 喉頭期間分離術 | 誤嚥防止 | 完全な誤嚥防止必要時 |
| 喉頭全摘出術 | 誤嚥防止 | 喉頭癌など |
頻出ポイント:
- 機能改善手術:嚥下機能を良くする(拳上術・輪状咽頭筋切断術)
- 誤嚥防止手術:機能を制限して安全性を確保(声門閉鎖術・期間分離術・全摘出術)
- 輪状咽頭筋切断術は「UES(上食道括約筋)」の過度な緊張に対する手術
- 喉頭拳上術は脳卒中後遺症で最も汎用される
紛らわしい落とし穴:
- 「喉頭期間分離術」は「誤嚥防止」のため、機能改善ではない(名称から誤りやすい)
- 喉頭全摘出術は嚥下機能を完全に