第23回 言語聴覚士国家試験 第88問
吃音第23回
進展段階第4層の吃音について正しいのはどれか。
a.成人の吃音を指す。
b.吃音を恐れている。
c.繰り返しの症状は目立たない。
d.深刻な問題とみなしている。
e.発話訓練によって治癒する。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — b,c,d
進展段階第4層は吃音の最終段階で、吃音症状の行動的特徴より、吃音に対する心理的態度や認知が主体となる段階です。症状の繰り返しは実は減少し、むしろ吃音回避行動と深刻な自己認識が特徴となります。
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【各選択肢の解説】
a. 成人の吃音を指す。
❌ 誤り。進展段階第4層は「成人の吃音」に限定されません。学童期から成人にかけて見られる段階であり、年齢によって定義されるのではなく、吃音の心理的発展段階によって定義されます。
b. 吃音を恐れている。
✅ 正しい。第4層は吃音症状そのものより、吃音発症への予期不安と恐怖が著しく高い段階です。言語場面を回避するなど、吃音への恐怖心が行動を支配します。
c. 繰り返しの症状は目立たない。
✅ 正しい。第4層では有音化や音の引き伸ばしよりも、ブロック(無音の停止)や回避行動が顕著になります。繰り返し症状は第2~3層で目立ち、進展に伴い減少する傾向があります。
d. 深刻な問題とみなしている。
✅ 正しい。第4層では吃音を社会的・職業的に深刻な問題として認識し、自己イメージが損傷している段階です。単なる言語障害ではなく、人生全体に影響を及ぼす問題と捉えています。
e. 発話訓練によって治癒する。
❌ 誤り。第4層では心理的要因が支配的であるため、発話訓練単独では改善が難しい段階です。認知行動療法や心理的支援を含む包括的なアプローチが必要であり、「治癒」という表現も不適切です。
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【試験対策ポイント】
進展段階(Van Riper理論)の4層構造
| 段階 | 年齢層 | 主な特徴 | 症状の特徴 |
|---|---|---|---|
| 第1層 | 幼児期(2〜4歳) | 症状への自覚なし、無関心 | 繰り返し多い。回避行動なし |
| 第2層 | 幼児〜学童初期 | 吃音への気づき、関心 | 繰り返し・引き伸ばし顕著 |
| 第3層 | 学童期 | 吃音を問題視。回避開始 | ブロック増加。症状変動 |
| 第4層 | 学童〜成人 | 恐怖心・自己イメージ損傷 | ブロック・回避行動が主体 |
重要否定知識
- 第4層=「成人のみ」ではない(学童期でも到達可能)
- 第4層=「症状が多い」ではない(むしろ症状は潜在化)
- 発話訓練単独では対応困難(心理社会的介入が必須)
b,c,dの組み合わせが第4層の本質を正確に表現しています。