STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第90問

小児聴覚障害第23回
ワクチン接種による難聴の予防対策ができないのはどれか。
  1. 1.麻疹
  2. 2.ムンプス
  3. 3.細菌性髄膜炎
  4. 4.先天性風疹症候群
  5. 5.先天性サイトメガロウイルス感染 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 先天性サイトメガロウイルス感染 先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染は、母体から胎児への垂直感染により発生し、現在のワクチンがないため予防ワクチン接種による予防対策ができません。一方、他の4つは全てワクチン接種による感染予防が可能です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 麻疹 ✅ 正しい。麻疹ワクチン(MMR或いはMR混合ワクチン)の接種により、麻疹感染による難聴を予防できます。麻疹感染後の難聴は感音難聴で、高音域から進行することが多いとされています。 2. ムンプス ✅ 正しい。ムンプスワクチン(MMRワクチンに含まれる)の接種により、ムンプス感染による難聴を予防できます。ムンプス難聴は一側性で急性に発症する感音難聴として知られています。 3. 細菌性髄膜炎 ✅ 正しい。Hib(インフルエンザ菌b型)ワクチン、肺炎球菌ワクチン、髄膜炎菌ワクチンなどにより、細菌性髄膜炎の発症を予防でき、それに伴う難聴も予防できます。細菌性髄膜炎後の難聴は重度感音難聴になることが多いとされています。 4. 先天性風疹症候群 ✅ 正しい。風疹ワクチン(MR混合ワクチンに含まれる)の妊娠前接種により、先天性風疹症候群の発症を予防でき、それに伴う難聴も予防できます。先天性風疹症候群の難聴は高音障害型感音難聴の典型とされています。 5. 先天性サイトメガロウイルス感染 ❌ 誤り。現在、CMVに対する有効なワクチンが存在しません。先天性CMV感染は母体の初感染または再活性化により胎児感染が生じ、難聴を含む多様な症状を引き起こしますが、ワクチン接種による予防手段がないため、対策できません。 --- 【試験対策ポイント】 ワクチンで予防可能な難聴の原因疾患: | 疾患 | ワクチン | 難聴の特徴 | |---|---|---| | 麻疹 | MMR or MR | 感音難聴・高音障害 | | ムンプス | MMR | 一側性急性感音難聴 | | 風疹 | MR | 高音障害型感音難聴 | | 細菌性髄膜炎 | Hib・肺炎球菌・髄膜炎菌 | 重度感音難聴 | | CMV感染症 | **なし** | 先天性難聴の主要原因 | キーワード: - 先天性CMV:ワクチン非存在・母体感染のみ原因 - 先天性風疹症候群:妊娠前MRワクチン接種が重要 - ムンプス難聴:典型的には一側性・難治性 - 髄膜炎後難聴:新生児期の細菌性髄膜炎で重度化しやすい
関連

▶ 第23回 全問一覧

▶ 小児聴覚障害 の過去問一覧