第23回 言語聴覚士国家試験 第92問
小児聴覚障害第23回
難聴児者の優先的な指導内容で適切でない組合せはどれか。
- 1.乳児期 ――― 構成法による関わり ✓
- 2.幼児期 ――― コミュニケーションモードの選択
- 3.学童期 ――― 教育的情報保障の配慮
- 4.青年期 ――― 障害認識カウンセリング
- 5.成人期 ――― 孤立感の回避
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 乳児期 ――― 構成法による関わり
乳児期の難聴児への指導は「構成法」ではなく「相互作用的関わり(相互交渉的関わり)」が優先的です。相互作用的関わりは、親と子の双方向の関係構築と音声・非音声刺激への応答性を高めることが目的であり、乳児期の発達段階に適しています。一方、構成法は学童期以降の系統的な言語指導に用いられるアプローチです。
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【各選択肢の解説】
1. 乳児期 ― 構成法による関わり
❌ 誤り。乳児期は「相互作用的関わり」が優先です。親子間の音や身振りを通した双方向のやり取りを促進し、コミュニケーション基盤を形成することが重要です。構成法は段階的に言語要素を教える方法で、乳児期には時期尚早です。
2. 幼児期 ― コミュニケーションモードの選択
✅ 正しい。幼児期は音声言語、手話、筆談、補聴器・人工内耳など、個々の難聴児に最適なコミュニケーション手段を検討・選択する重要な時期です。この時期の選択が以後の発達に大きく影響します。
3. 学童期 ― 教育的情報保障の配慮
✅ 正しい。学童期は就学に伴い、授業内容の理解を支援するための情報保障(聴覚学級、要約筆記、手話通訳、補聴器のフィッティング調整など)が優先的な課題となります。
4. 青年期 ― 障害認識カウンセリング
✅ 正しい。思春期から青年期にかけて、自分自身の難聴とアイデンティティを受け入れ、障害を適切に認識することが心理社会的発達に重要です。仲間関係や進路決定の場面でも必要な支援です。
5. 成人期 ― 孤立感の回避
✅ 正しい。成人期は就労や結婚など社会的役割が増加する一方、難聴による孤立感のリスクが高まります。自助グループへの参加促進やピアサポート、職場での配慮確保が優先的な指導内容です。
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【試験対策ポイント】
難聴児者の発達段階別・優先的指導内容
| 発達段階 | 優先的な指導・支援 | キーワード |
|---|---|---|
| 乳児期(0〜1歳) | 相互作用的関わり / 親子相互交渉 | 親子相互作用・双方向性の構築 |
| 幼児期(2〜5歳) | コミュニケーションモードの選択 | 音声・手話・補聴器など検討 |
| 学童期(6〜12歳) | 教育的情報保障の配慮 | 聴覚学級・要約筆記・手話通訳 |
| 青年期(13〜18歳) | 障害認識カウンセリング / 心理社会的支援 | アイデンティティ形成・自己受容 |
| 成人期(19歳以上) | 孤立感の回避 / ピアサポート | 自助グループ・就労支援・社会参加 |
構成法について
- 定義:言語の文法や語彙を段階的・系統的に教える言語指導法
- 用途:学童期以降の難聴児の音韻・文法理解の習得
- 乳児期には不適切(発達段階に合わない)
相互作用的関わり
- 親と子の双方向のやり取りを重視
- 音声模倣・身振り・表情など多感覚的刺激
- コミュニケーションへの欲求形