第23回 言語聴覚士国家試験 第93問
聴力検査第23回
聴力検査のマスキングについて誤っているのはどれか。
- 1.非検査耳に気導骨導閾値差があるとマスキング効果が減弱する。
- 2.語音聴力検査ではマスキングは不要である。 ✓
- 3.実効レベルは、実効マスキングレベルと非検査耳気導閾値との差である。
- 4.気導受話器の両耳間移行減衰量は気導検査における陰影聴取と関連する。
- 5.非検査耳のマスキングされた気導賜値は実効マスキングレベルに等しい。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 語音聴力検査ではマスキングは不要である。
語音聴力検査においても、検査耳と非検査耳の聴覚閾値差が大きい場合や骨導検査を伴う場合は、マスキングが必要です。特に一側性難聴患者では、非検査耳への音の迂回伝導を遮断するため、語音弁別能検査やスピーチオージオメトリーでもマスキングを適切に行う必要があります。
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【各選択肢の解説】
1. 非検査耳に気導骨導閾値差があるとマスキング効果が減弱する。
✅ 正しい。非検査耳の気導閾値と骨導閾値の差が大きいほど、その耳の骨導聴力が良好であることを意味し、検査耳からの骨導刺激が非検査耳の骨導経路で検出されやすくなります。その結果、マスキングによる遮蔽効果が相対的に減弱します。
2. 語音聴力検査ではマスキングは不要である。
❌ 誤り。これは本問の誤った記述です。両耳の聴力差が大きい場合や骨導検査では、語音聴力検査(弁別能検査・スピーチオージオメトリーなど)でもマスキングが必要になります。非検査耳への音の迂回を防ぐため、適切なマスキング音を非検査耳に提示する必要があります。
3. 実効レベルは、実効マスキングレベルと非検査耳気導閾値との差である。
✅ 正しい。実効レベル(実効マスキングレベル)=非検査耳に与えたマスキング音のレベル − 非検査耳の気導閾値。マスキング音が非検査耳でどれだけ「聞こえている強さ」を示し、検査耳への影響度合いを決定する重要な概念です。
4. 気導受話器の両耳間移行減衰量は気導検査における陰影聴取と関連する。
✅ 正しい。気導受話器の両耳間移行減衰量(通常15〜20dB)が小さいため、一側に提示した音が反対側の耳に容易に伝わります。この現象が「陰影聴取」(一側の音が検査耳側と反対側の耳でも聞こえる現象)です。マスキングはこの現象を防ぐために重要です。
5. 非検査耳のマスキングされた気導閾値は実効マスキングレベルに等しい。
✅ 正しい。マスキング音を提示された非検査耳の気導閾値は、そのマスキング音の実効レベルに等しくなります。これはマスキングの基本原理で、マスキング音の強さが非検査耳の聴覚を「マスク」する程度を直接示しています。
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【試験対策ポイント】
【マスキング判定の流れ】
1. 両耳の気導閾値差が20dB以上 → マスキング必要
2. 骨導検査時 → ほぼ常にマスキング必要
3. 語音聴力検査 → 両耳差大きければマスキング必要(選択肢2の誤り)
【両耳間移行減衰量と陰影聴取】
| 検査方法 | 両耳間移行減衰量 | 陰影聴取のリスク |
|---|---|---|
| 気導 | 15〜20dB(小) | 高い ← マスキング必須 |
| 骨導 | 0dB程度 | 極めて高い ← 強力なマスキング必須 |
【実効レベル計算式】
実効レベル=マスキング音のレベル − 非検査耳気導閾値
例