STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第23回 言語聴覚士国家試験 第94問

聴力検査第23回
機能性難聴の診断に用いない検査はどれか。
  1. 1.ロンバールテスト
  2. 2.遅延側音検査
  3. 3.自記オージオメトリー
  4. 4.聴性脳幹反応
  5. 5.プロモントリーテスト ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — プロモントリーテスト プロモントリーテストは、蝸牛の基礎板に直接電気刺激を与えて蝸牛の機能を評価する検査であり、「器質的障害の有無」を判定するための検査です。機能性難聴の診断には直接的には使用されません。機能性難聴の診断は、自発的・無意識的な聴力レベルの矛盾を検出する検査で確定されるため、器質的障害を前提とするプロモントリーテストは不適切です。 --- 【各選択肢の解説】 1. ロンバールテスト ✅ 正しい。患者が自らの声の大きさを調整させる検査で、機能性難聴では実際の聴力と自覚的な聴力が矛盾するため診断に用いられます。 2. 遅延側音検査 ✅ 正しい。自分の声が遅延して聞こえる条件下で、被検者が無意識に音量を調整する現象(Lombard効果の応用)を観察し、機能性難聴の診断に使用されます。 3. 自記オージオメトリー ✅ 正しい。患者が自分で音量ボタンを操作して閾値を求める検査で、機能性難聴では不規則で矛盾した反応が見られるため診断に有用です。 4. 聴性脳幹反応(ABR) ✅ 正しい。客観的検査であり、被検者の意思の影響を受けません。機能性難聴でも正常反応を示すため、他の検査結果との矛盾を明らかにして診断に用いられます。 5. プロモントリーテスト ❌ 誤り。蝸牛に電気刺激を加えて蝸牛神経の興奮性を評価する検査で、内耳炎症や蝸牛機能の器質的障害評価を目的とします。機能性難聴の診断には使用されません。 --- 【試験対策ポイント】 機能性難聴の診断に用いる検査の分類 | 検査名 | 検査の原理 | 機能性難聴での反応 | |---|---|---| | ロンバールテスト | 音声調整行動 | 矛盾・不安定 | | 遅延側音検査 | Lombard効果応用 | 無意識行動の矛盾 | | 自記オージオ | 患者自己操作 | 不規則な閾値 | | ABR | 客観的脳波反応 | 正常(矛盾が明白) | | プロモントリー | 蝸牛直接刺激 | 器質的評価のみ | 重要キーワード ・機能性難聴=「心因性難聴」。器質的障害がない ・診断の鍵=「自発的反応と無意識的反応の矛盾」を検出すること ・プロモントリーテスト=蝸牛機能の「器質的」評価用。機能性難聴では不要 ・ABRが正常かつ行動聴力検査で閾値低下=機能性難聴の典型的所見 頻出の紛らわしいポイント ・「ABRが機能性難聴の診断に使える」=矛盾検出が目的(患者の訴えとの不一致) ・「プロモントリーテストは検査ではなく治療的価値」という誤解を避ける
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