第23回 言語聴覚士国家試験 第97問
補聴器・人工内耳第23回
小型耳かけ型補聴器(RIC)について正しいのはどれか。
- 1.従来の耳かけ型補聴器と比べてハウリングを起こしやすい。
- 2.ダンパーフックを用いて音質を調整する。
- 3.衣擦れ音を拾いやすい。
- 4.単4電池を使用できる。
- 5.レシーバーは外耳道内に存在する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — レシーバーは外耳道内に存在する
RIC(Receiver In Canal)型補聴器の最大の特徴は、増幅回路と電源がマイク部分に収納され、レシーバー(スピーカー)が独立して外耳道内に配置される構造です。これにより従来の耳かけ型より軽量で、音導管を必要としない設計となっています。
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【各選択肢の解説】
1. 従来の耳かけ型補聴器と比べてハウリングを起こしやすい。
❌ 誤り。RIC型は反対にハウリングを起こしにくい。レシーバーが外耳道内にあるため、マイク部分とスピーカーの距離が遠く、フィードバックの影響が小さいメリットがあります。
2. ダンパーフックを用いて音質を調整する。
❌ 誤り。ダンパーフックは耳かけ型補聴器の音導管に装着され、周波数特性を調整する部品です。RIC型は音導管を使用しないため、ダンパーフックは使用されません。
3. 衣擦れ音を拾いやすい。
❌ 誤り。むしろ逆です。RIC型は従来の耳かけ型より小型軽量であり、マイク位置も至適化されているため、衣擦れ音の影響は従来型より少ない傾向にあります。
4. 単4電池を使用できる。
❌ 誤り。RIC型は一般的に単13電池を使用します。小さい補聴器ほど小型電池(単13など)が必要であり、単4電池ほど大きい電池は不適です。
5. レシーバーは外耳道内に存在する。
✅ 正しい。RIC型の定義そのものです。Receiver In Canalの略称通り、レシーバー(受話器・スピーカー)が外耳道に挿入される細いチューブで直接配置されます。
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【試験対策ポイント】
補聴器形状別の特徴比較表:
| 形状 | 電池 | マイク・増幅 | レシーバー位置 | ハウリング | 衣擦れ音 |
|---|---|---|---|---|---|
| 耳あな型(ITE) | 単13 | 外耳道内 | 外耳道内 | やや多い | 少ない |
| 耳かけ型(BTE) | 単13/675 | 耳たぶ後部 | 音導管経由 | 中程度 | 多い(衣との接触) |
| RIC型 | 単13 | 耳たぶ後部 | 外耳道内 | 少ない(距離が遠い) | 少ない |
| ポケット型 | 単1~3 | ポケット内 | イヤホン経由 | 少ない | 少ない |
RIC型の利点:小型・軽量、ハウリング耐性が高い、自然な音響特性、生体フィードバック低減
RIC型の欠点:外耳道への挿入が必要、オーダーメイド耳栓が必要、外耳道炎のリスク
重要な「否定知識」:RIC型で音導管・ダンパーフック・パワーモジュールなどのチューニング部品は基本的に不要(設計の簡潔さが利点)