STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第113問

臨床神経学第24回
55歳の男性。高血圧を指摘されている。昨日右片麻痺と言語障害が出現したが、1時間で症状はすべて消失した。その後の症状はない。バスの運転手で本日も仕事の予定である。適切な助言はどれか。
  1. 1.今すぐ専門医を受診してください。 ✓
  2. 2.今日は自宅で休養してください。
  3. 3.今日の午前中は運転士、午後から専門医を受診してください。
  4. 4.今日は運転しても良いですが、明日専門医を受診してください。
  5. 5.今まで通り運転を続けても大丈夫です。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 今すぐ専門医を受診してください。 この患者は一過性脳虚血発作(TIA:Transient Ischemic Attack)の典型的な症状を呈しており、これは脳卒中の強い前駆警告信号です。症状が完全に消失したからといって安全ではなく、むしろTIA後24時間以内に約5~10%が脳梗塞に進展します。特にバスの運転手という職業は他者の生命に関わるため、直ちに医学的評価が必須です。高血圧という危険因子も相まって、早急な専門医受診と脳画像検査が必要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 今すぐ専門医を受診してください。 ✅ 正しい。TIAは脳梗塞の重要な前駆症状であり、症状消失後も脳卒中リスクは極めて高い。24時間以内の脳梗塞発症リスクが高いため、同日中(可能なら数時間以内)の受診が必須。CT/MRI検査と危険因子管理が重要。 2. 今日は自宅で休養してください。 ❌ 誤り。症状消失を理由に単なる休養で対応するのは極めて危険。TIAは医学的緊急事態であり、運転などの日常活動の継続は脳梗塞発症時に重大事故を招く。医学的評価なしに帰宅させてはならない。 3. 今日の午前中は運転士、午後から専門医を受診してください。 ❌ 誤り。症状消失直後は脳梗塞発症の最高リスク期である。バス運転手が脳梗塞を発症すれば、運転中に重大事故となり多数の乗客が被害を受ける。職業的責任からも直ちに業務を中止すべき。 4. 今日は運転しても良いですが、明日専門医を受診してください。 ❌ 誤り。TIA後24時間が最も脳梗塞リスクが高い期間。「今日は運転可能」という判断は誤りであり、脳梗塞発症時に運転中であれば重大事故となる。延期は許されない。 5. 今まで通り運転を続けても大丈夫です。 ❌ 誤り。これは最も危険な判断。TIA患者の脳梗塞リスクは健常者の約100倍以上。継続した運転は自己及び他者の生命を危険にさらす。医学的根拠がない。 --- 【試験対策ポイント】 TIA(一過性脳虚血発作)の重要知識 | 項目 | 内容 | |---|---| | 定義 | 神経学的症状が24時間以内に完全に消失する脳虚血発作 | | 持続時間 | 通常15分~数時間(多くは1時間以内に消失) | | 脳梗塞への進展 | 24時間以内:5~10% / 3か月以内:10~15% | | 最高リスク期 | 発症後24時間(特に最初の数時間) | | 症状 | 片麻痺、言語障害、視力障害、めまい等(片側が原則) | | 画像所見 | CT:正常(一部MRIで拡散強調像に高信号) | | 治療 | 急性期抗血栓療法(アスピリン等) | 脳卒中リスク評価スケール(ABCD2スコア) - Age(年齢)60歳以上:1点 - Blood pressure(血圧)≥140/90:1点 - Clinical features(臨床症状):弱脱力2点、言語障害1点 - Duration(持続時間)≥60分:2点、10~59分:1点 - Diabetes(糖尿病):1点 → スコア4点以
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