第24回 言語聴覚士国家試験 第119問
臨床神経学第24回
運動障害性構音障害について誤っている組み合わせはどれか。
- 1.失調性障害ー小脳
- 2.運動低下性障害ー大脳皮質 ✓
- 3.運動過多性障害ー錐体外路系
- 4.痙性麻痺性障害ー上位運動ニューロン
- 5.弛緩性麻痺性障害ー下位運動ニューロン
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 運動低下性障害ー大脳皮質
運動低下性障害は錐体外路系(特にパーキンソン病など黒質線条体系の障害)の障害であり、大脳皮質病変ではありません。大脳皮質は上位運動ニューロンの起始部であり、その障害は痙性麻痺性構音障害をもたらします。
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【各選択肢の解説】
1. 失調性障害ー小脳
✅ 正しい。小脳障害により協調運動が障害され、スキャニングスピーチ(断綴性発話)や音量変動が生じます。
2. 運動低下性障害ー大脳皮質
❌ 誤り。運動低下性障害は錐体外路系(黒質線条体系)の障害です。大脳皮質障害は上位運動ニューロン障害として痙性麻痺性構音障害をもたらします。パーキンソン病(黒質変性)が典型例です。
3. 運動過多性障害ー錐体外路系
✅ 正しい。不随意運動(舞踏病、アテトーゼなど)による運動過多は、錐体外路系の過剰活動が原因です。
4. 痙性麻痺性障害ー上位運動ニューロン
✅ 正しい。両側錐体路障害(脳梗塞、脳性麻痺など)により、努力性嗄声や緊張性異常が生じます。偽性球麻痺として知られています。
5. 弛緩性麻痺性障害ー下位運動ニューロン
✅ 正しい。核下及び末梢神経障害により、開鼻声や気息性嗄声などの音響特性が変化します。球麻痺(顔面神経・舌咽神経・迷走神経障害)が典型例です。
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【試験対策ポイント】
運動障害性構音障害の分類(Mayo分類)
| 障害タイプ | 神経系部位 | 典型疾患 | 構音特徴 |
|---|---|---|---|
| 痙性麻痺性 | 上位運動ニューロン | 脳梗塞・脳性麻痺 | 努力性嗄声・減速 |
| 弛緩性麻痺性 | 下位運動ニューロン | 球麻痺・ALS初期 | 開鼻声・気息性嗄声 |
| 失調性 | 小脳 | 小脳変性症 | スキャニングスピーチ |
| 運動低下性 | 錐体外路系 | パーキンソン病 | 加速現象・単調性 |
| 運動過多性 | 錐体外路系 | 舞踏病・ジストニア | 不規則な音量変動 |
| 混合性 | 複数部位 | ALS(末期)・MSA | 複数特徴の組合せ |
キーポイント:
- 運動低下性=パーキンソン病=黒質線条体系(錐体外路)
- 大脳皮質障害=上位運動ニューロン障害=痙性麻痺性
- Mayo分類は5種類の基本型+混合性の6分類