STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第120問

神経系第24回
錐体路が通らない領域はどれか。
  1. 1.中脳被蓋 ✓
  2. 2.大脳脚
  3. 3.内包
  4. 4.橋底部
  5. 5.放線冠

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 中脳被蓋 錐体路は大脳皮質運動野から脊髄まで下行する最大の運動路であり、大脳脚→内包→橋底部を通過して脊髄に至ります。中脳被蓋は中脳の背側部分であり、錐体路が存在しない領域です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 中脳被蓋 ✅ 正しい(正答)。中脳被蓋(中脳背側部)には錐体路が通りません。中脳は錐体路が腹側の大脳脚を通るため、背側の被蓋部には到達しません。 2. 大脳脚 ❌ 誤り。大脳脚(中脳腹側)は錐体路が通る重要な領域です。中脳での錐体路はここに集中し、樹状図を形成します。 3. 内包 ❌ 誤り。内包の後脚に錐体路が通ります。大脳皮質から大脳脚への経路として最重要な中継点であり、内包梗塞で片麻痺が生じる理由です。 4. 橋底部 ❌ 誤り。橋底部には錐体路が通ります。橋の腹側(底部)を通過した後、延髄で錐体交叉を形成します。 5. 放線冠 ❌ 誤り。放線冠は大脳皮質から内包への錐体路線維を含みます。大脳半球内での錐体路の重要な構成部分です。 --- 【試験対策ポイント】 【錐体路の走行経路(上位→下位)】 - 大脳皮質運動野(中心前回) ↓ - 放線冠(白質線維の放射状走行) ↓ - 内包後脚(最も狭窄部→梗塞に脆弱) ↓ - 大脳脚(中脳腹側で樹状図形成) ↓ - 橋底部(腹側) ↓ - 延髄下部で錐体交叉(約90%は交叉) ↓ - 脊髄側索 【中脳の構造区分と錐体路の有無】 | 部位 | 背側/腹側 | 錐体路 | 主な構造 | |---|---|---|---| | 中脳被蓋 | 背側 | なし | 赤核、黒質、眼球運動核など | | 大脳脚 | 腹側 | あり(集中) | 錐体路、皮質橋線維など | 【よく間違える理由】 中脳内で錐体路の位置を問う問題では、「中脳の背側(被蓋)と腹側(大脳脚)の区別」が鍵です。中脳被蓋には赤核や黒質など運動調節核がありますが、錐体路本体は通りません。被蓋部の損傷でも片麻痺が生じることがありますが、これは赤核への投射線維損傷によるものであり、錐体路そのものの損傷ではありません。
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