STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第131問

臨床心理学第24回
行動療法の特徴として正しいのはどれか。 a.無意識領域に抑圧された内容を自覚させ表面化させる。 b.転移と逆転移を解釈していくことで問題解決を発展させる。 c.観察可能な行動または症状そのものを介入対象とする。 d.刺激と反応という図式で行動を捉える。 e.不適応行動は誤った学習または未学習の結果と考える。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — c,d,e 行動療法は「観察可能な行動そのものを対象」とし、「刺激-反応の図式」で捉え、「不適応行動は学習の産物」と考える理論です。aとbは精神分析的アプローチの特徴であり、行動療法とは異なります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 無意識領域に抑圧された内容を自覚させ表面化させる。 ❌ 誤り。これは精神分析療法(フロイト的アプローチ)の特徴です。行動療法は無意識領域には関心を持たず、観察可能な行動変容に焦点を当てます。 b. 転移と逆転移を解釈していくことで問題解決を発展させる。 ❌ 誤り。転移・逆転移の解釈は精神分析療法の中核的技法です。行動療法では転移現象をむしろ最小化し、客観的な行動変容を目指します。 c. 観察可能な行動または症状そのものを介入対象とする。 ✅ 正しい。行動療法の根本的特徴です。内的な思考や感情ではなく「見える行動」「測定可能な症状」を直接的に変容させることを目指します。 d. 刺激と反応という図式で行動を捉える。 ✅ 正しい。古典的行動主義(パブロフ、スキナー)の「S-R理論」に基づいています。環境刺激に対する反応として行動を理解し、この関係性を操作することで問題解決を図ります。 e. 不適応行動は誤った学習または未学習の結果と考える。 ✅ 正しい。行動療法では「問題行動も適応行動と同じく学習によって獲得されたもの」と考え、再学習・消去学習によって改善可能と見なします。 --- 【試験対策ポイント】 主要な心理療法の比較表: | 療法 | 焦点 | 対象 | 理論的基礎 | |---|---|---|---| | 精神分析療法 | 無意識・過去の葛藤 | 内的な無意識内容 | 心的エネルギー・転移 | | 行動療法 | 現在の観察可能な行動 | 症状・行動そのもの | 学習理論(S-R) | | 認知療法 | 自動思考・認知パターン | 認知の歪み | 思考と行動の相互作用 | | 来談者中心療法 | 自己受容・気づき | クライエント自身の内的過程 | 自己実現 | 行動療法の3つの柱: - S-R理論:刺激-反応の因果関係 - 観察可能性:測定・記録・グラフ化が可能 - 学習仮説:不適応も適応も「獲得できた」なら「消去・再学習も可能」 頻出の混同ポイント: - 「行動を変える=内面も変わる」vs「認知を変える=行動も変わる」 - 行動療法は「なぜそうしたいのか」を問わない(精神分析は問う) - 認知行動療法は両者を統合(認知療法+行動療法)
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