第24回 言語聴覚士国家試験 第14問
臨床神経学第24回
発症3時間の中大脳動脈閉塞に最も考慮すべき治療はどれか。
- 1.脳保護療法
- 2.抗浮腫療法
- 3.抗血栓薬療法
- 4.血栓溶解療法 ✓
- 5.血栓回収療法
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 血栓溶解療法
発症3時間は、静脈血栓溶解療法(IV-tPA)の治療時間窓内です。急性虚血性脳卒中では、発症から4.5時間以内(推奨は3時間以内)にtPA投与を行うことが、神経障害の軽減と機能予後の改善に最も有効とされています。中大脳動脈閉塞という大血管閉塞の場合、血栓溶解療法は最優先で検討すべき治療法です。
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【各選択肢の解説】
1. 脳保護療法
❌ 誤り。脳保護療法(自由基除去薬、GABA受容体作動薬など)は、虚血による神経細胞障害を軽減する補助的療法ですが、急性期の血管再開通を目指す治療ではなく、確立された有効性も限定的です。発症3時間という急性期では、血管再開通が最優先です。
2. 抗浮腫療法
❌ 誤り。脳浮腫対策(高張食塩水、マンニトール等)は、広範囲梗塞や脳ヘルニアのリスクがある場合の補助療法であり、初期治療ではありません。発症早期では血管再開通が優先されます。
3. 抗血栓薬療法
❌ 誤り。アスピリンなどの抗血栓薬は、急性虚血性脳卒中の二次予防や慢性期管理に用いられます。しかし発症3時間という時間窓内では、血栓溶解療法の方が血流再開通の効果が格段に優れており、より積極的な治療が指示されます。
4. 血栓溶解療法
✅ 正しい。発症3時間以内の急性虚血性脳卒中に対するtPA静注は、Grade Aの推奨として確立されています。中大脳動脈閉塞のような大血管閉塞では、一刻も早い血管再開通が神経障害の拡大を防ぎます。
5. 血栓回収療法
❌ 誤り。機械的血栓回収療法は極めて有効な治療ですが、施行可能な施設の制限(カテーテル検査室の準備、専門医の配置など)があり、すべての施設で発症3時間の時点で実施できるわけではありません。血栓溶解療法の方が迅速に開始できる初期治療です。ただし、最近のガイドライン(2022年以降)では、大血管閉塞で機械的回収の適応があれば「並行して」検討される傾向にあります。
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【試験対策ポイント】
時間窓と治療法の対応関係
| 発症からの時間 | 推奨治療 | 適応基準 |
|---|---|---|
| 3時間以内 | tPA静注(IV-tPA) | 出血性梗塞リスク低い場合 |
| 3~4.5時間 | IV-tPA(条件付き) | 年齢80歳未満、NIHSS22以下など |
| 発症後24時間以内 | 機械的血栓回収療法 | 大血管閉塞+施行可能な施設 |
| 治療後 | 抗浮腫療法、脳保護療法 | 補助的役割 |
重要キーワード
- IV-tPA:静脈血栓溶解療法、時間が命、造影CTで出血除外が必須
- 大血管閉塞(LVO):中大脳動脈本幹や内頸動脈など、血栓回収の対象
- 時間窓:3時間(推奨)、4.5時間(可能)、24時間(回収療法)
頻出の誤り
「時間窓内だから抗血栓薬で十分」→誤