第24回 言語聴覚士国家試験 第15問
臨床神経学第24回
パーキンソン病の症状でないのはどれか。
- 1.振戦
- 2.無動
- 3.筋肥大 ✓
- 4.筋強剛
- 5.小刻み歩行
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 筋肥大
パーキンソン病は黒質のドーパミン産生ニューロン退縮により生じる神経変性疾患で、4大症状は振戦・寛解不能な筋強剛・無動・姿勢反射障害です。筋肉自体の肥大は生じず、むしろ活動低下により筋萎縮が起こります。筋肥大(例:筋ジストロフィーの仮性肥大)はパーキンソン病の特徴ではなく、むしろ神経筋疾患のカテゴリーに属します。
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【各選択肢の解説】
1. 振戦
✅ 正しい。パーキンソン病の4大症状の一つです。安静時に4~6Hz(通常は5Hz)の規則的な振戦が特徴で、「ピル・ローリング」(丸薬丸め込み様振戦)と呼ばれる親指と人指し指の対立運動が典型的です。活動時には減弱または消失します。
2. 無動
✅ 正しい。パーキンソン病の4大症状の一つです。表情の乏しさ(仮面様顔貌)、瞬目減少、開始動作困難(運動のイニシエーション障害)、速度低下(徐動)などが含まれます。ドーパミン補充療法により改善します。
3. 筋肥大
❌ 誤り。パーキンソン病では生じません。むしろ無動による活動低下から筋萎縮が起こります。筋肥大は筋ジストロフィー(特にDuchenne型の仮性肥大)や筋強直性ミオトニアなど、他の神経筋疾患の特徴です。
4. 筋強剛
✅ 正しい。パーキンソン病の4大症状の一つです。関節周囲全体の抵抗感が特徴で、「鉛管様筋強剛」と呼ばれます。受動運動で均等な抵抗が全可動域にわたって認められ、振戦を合併すると「歯車様筋強剛」となります。
5. 小刻み歩行
✅ 正しい。パーキンソン病の姿勢反射障害の一つです。前傾姿勢で速度が加速する「加速歩行」、歩幅減少による「小刻み歩行」、足が床に粘着する感覚「すくみ足」などが特徴的です。転倒リスクが高まります。
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【試験対策ポイント】
パーキンソン病の4大症状(マスト)
| 症状 | 機序 | 特徴 |
|---|---|---|
| 振戦 | ドーパミン低下 | 安静時・4~6Hz・ピル・ローリング |
| 無動 | ドーパミン低下 | 仮面様顔貌・開始困難・徐動 |
| 筋強剛 | ドーパミン低下 | 全関節で均等な抵抗・鉛管様 |
| 姿勢反射障害 | ドーパミン低下 | 加速歩行・小刻み歩行・すくみ足 |
パーキンソン病で生じない症状
- 筋肥大(むしろ筋萎縮)
- 筋力の著明な低下(筋強剛はあるが随意力保持)
- 痙攣・けいれん
- 感覚障害
関連疾患との鑑別
- 本態性振戦:動作時振戦・振幅大・無動なし
- 進行性核上性麻痺:垂直眼球運動障害が先行
- 多系統萎縮症:小脳症状・自律神経障害が顕著