第24回 言語聴覚士国家試験 第152問
言語聴覚障害総論第24回
言語聴覚療法を実施する際のリスクマネジメントについて誤っているのはどれか。
a.対象者の活動性が高まり、心身への負荷が生じると廃用性の機能低下が生じやすい。
b.対象者の転倒、誤嚥、窒息のリスクが高い。
c.指導方針の説明が対象者に十分理解されない場合がある。
d.個人情報が思わぬ形で流出するリスクがある。
e.職種間、部門間での個人情報の共有は不適切である。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
言語聴覚療法のリスクマネジメントで、「廃用性機能低下は活動性が高まると生じやすい」という因果関係が逆であり(a誤),また「職種間・部門間での適切な個人情報共有は医療連携上必須」であるため(e誤),この2つが誤りです。
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【各選択肢の解説】
a. 対象者の活動性が高まり、心身への負荷が生じると廃用性の機能低下が生じやすい。
❌ 誤り。因果関係が逆です。廃用性機能低下は「活動性の低下・身体を使わないこと」によって生じるもので、活動性が高まることでは生じません。リスク管理では過度な負荷を避けることが重要ですが、「活動性が高まる→廃用化が生じやすい」という記述は医学的に矛盾しています。
b. 対象者の転倒、誤嚥、窒息のリスクが高い。
✅ 正しい。言語聴覚療法では高齢者や嚥下障害患者を扱うため、転倒・誤嚥・窒息は実際の重要なリスク要因です。これらは療法実施中の合併症として認識すべき項目です。
c. 指導方針の説明が対象者に十分理解されない場合がある。
✅ 正しい。認知機能低下、失語症、聴覚障害、コミュニケーション困難な対象者を扱うため、説明内容が十分に理解されないリスクは常に存在します。これはリスク管理上重要な課題です。
d. 個人情報が思わぬ形で流出するリスクがある。
✅ 正しい。医療従事者として個人情報保護は重大な責務であり、電子カルテの不適切アクセス、録音・記録の漏洩、会話の盗聴など、思わぬ形での流出リスクは実際に存在します。
e. 職種間、部門間での個人情報の共有は不適切である。
❌ 誤り。むしろ「職種間・部門間での適切な個人情報共有」は医療連携上必須です。言語聴覚士は医師、看護師、理学療法士、社会福祉士等と対象者情報を共有して統合的ケアを提供します。「すべての共有が不適切」という記述は誤りです。ただし共有は「必要最小限」「同意に基づく」「目的範囲内」という原則は必要です。
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【試験対策ポイント】
リスクマネジメント vs 個人情報管理の区別
| 項目 | 廃用性機能低下 | 個人情報共有 |
|---|---|---|
| 原因 | 活動性の「低下」によって生じる | 職種間連携で「必須」 |
| 対策 | 活動性を「維持・向上」させる | 適切な目的範囲内で「共有する」 |
| 誤りやすいポイント | 「活動性↑で廃用化↑」という逆因果 | 「すべての共有は不適切」という過度な制限 |
頻出パターン:リスク管理問題では「××は避けるべき」という正しい知識と「××は重要である」という相反する記述が混在します。因果関係・用語の正確性を問う問題に注意。