第24回 言語聴覚士国家試験 第153問
言語聴覚障害総論第24回
誤っているのはどれか。
- 1.観察対象集団で観察期間内に新たな疾患になった人の率を罹患率という。
- 2.ある一時点の観察対象集団で疾病を有する人の事を有病率という。
- 3.陽性・陰性の判定で境界域とされた人の率を偽陽性率という。 ✓
- 4.致命率は主に急性疾患の重症度を示すのに適する。
- 5.0歳児の平均余命を平均寿命という。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 陽性・陰性の判定で境界域とされた人の率を偽陽性率という。
偽陽性率は「実際には疾病がない人の中で、検査により陽性と判定された人の割合」を指します。「境界域」という概念とは異なります。境界域は判定困難な中間領域ですが、偽陽性率は検査の精度指標として明確に定義されており、実際に疾病を持たない人を対象にした割合です。
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【各選択肢の解説】
1. 観察対象集団で観察期間内に新たな疾患になった人の率を罹患率という。
✅ 正しい。罹患率は新規発症者数を追跡調査で捉える指標で、「観察期間内の新たな発症」が定義の根拠です。有病率と異なり、動的な変化を測定します。
2. ある一時点の観察対象集団で疾病を有する人の事を有病率という。
✅ 正しい。有病率はある時点でのスナップショット的な指標で、新規発症と既存患者を区別せず、「その時点で疾病を持つ者の割合」を示します。
3. 陽性・陰性の判定で境界域とされた人の率を偽陽性率という。
❌ 誤り。偽陽性率(False Positive Rate)は「実際には疾病がない人のうち、検査で陽性と誤判定された人の割合」です。境界域の概念とは全く別です。偽陽性率 = 偽陽性数 ÷ 真の陰性者総数で算出されます。
4. 致命率は主に急性疾患の重症度を示すのに適する。
✅ 正しい。致命率(fatality rate)は「疾病に罹患した者のうち死亡した者の割合」で、その疾患がどの程度の危機的状態か(重症度)を反映します。急性疾患では重症度判定に有用です。
5. 0歳児の平均余命を平均寿命という。
✅ 正しい。平均寿命は通常「0歳児の平均余命」で定義され、その国の健康寿命や医療水準の指標となります。
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【試験対策ポイント】
疫学指標の定義を正確に区別することが重要
| 指標 | 定義 | 用途 |
|---|---|---|
| 罹患率 | 観察期間内の新規発症者数÷追跡対象人口 | 予防の効果測定 |
| 有病率 | ある時点での疾病保有者÷その時点の人口 | 医療需要推定 |
| 致命率 | 疾病罹患者のうち死亡者÷罹患者総数(%) | 疾患の重症度評価 |
| 死亡率 | 死亡者数÷その地域の人口 | 地域保健の評価 |
| 偽陽性率 | 実際の陰性者のうち検査陽性÷真の陰性者総数 | スクリーニング精度評価 |
| 平均寿命 | 0歳児の平均余命 | 国家の健康指標 |
紛らわしい点:「偽陽性率」と「境界域」は別概念。偽陽性率は感度・特異度に関連する検査性能指標です。