第24回 言語聴覚士国家試験 第154問
失語症第24回
失語症に伴いやすいのはどれか。
- 1.計算障害 ✓
- 2.片麻痺の病態失認
- 3.相貌失認
- 4.環境音失認
- 5.バリント(Ballint)症候群
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 計算障害
失語症は言語機能の障害であり、脳の言語優位半球(通常は左半球)の損傷によって生じます。言語優位半球は計算機能も担当しているため、失語症患者では計算障害が高頻度で随伴します。特にブローカ失語では数字の処理や計算が影響を受けやすいとされています。
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【各選択肢の解説】
1. 計算障害
✅ 正しい。失語症を引き起こす左半球損傷は、言語処理と同様に数値処理・計算機能も担当する領域です。失語症患者の約40~60%に計算障害(アカルキュリア)が併存するとされており、失語症に伴いやすい症状です。
2. 片麻痺の病態失認
❌ 誤り。病態失認(自分の障害を認識できない状態)は右半球損傷に典型的です。特に右頭頂葉損傷で現れやすく、失語症(左半球言語領域損傷)とは異なる神経基盤を持ちます。
3. 相貌失認
❌ 誤り。相貌失認は右側頭葉紡錘状回の損傷で生じ、顔を認識できなくなる症状です。失語症の主病巣(左前頭葉・側頭葉言語領域)とは別の領域であり、失語症に伴いにくい症状です。
4. 環境音失認
❌ 誤り。環境音失認(非言語音が認識できない状態)は右聴覚皮質領域の損傷で生じます。失語症は左半球言語領域の障害であり、環境音失認との併存は低頻度です。
5. バリント症候群
❌ 誤り。バリント症候群は両側頭頂後頭葉接合部の損傷によって生じ、同時失認・視空間失調・視覚性運動失調を特徴とします。失語症の主病巣(左前頭葉・側頭葉)とは異なり、失語症に伴いません。
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【試験対策ポイント】
失語症に伴う症状
| 症状 | 病巣 | 失語症との関連 |
|---|---|---|
| 計算障害 | 左側頭葉・前頭葉 | 高頻度で併存(40~60%) |
| 片麻痺の病態失認 | 右頭頂葉 | 低頻度(右半球損傷) |
| 相貌失認 | 右側頭葉紡錘状回 | 低頻度(右半球損傷) |
| 環境音失認 | 右聴覚皮質 | 低頻度(右半球損傷) |
| バリント症候群 | 両側頭頂後頭葉 | 低頻度(後部領域損傷) |
キーワード:「失語症は左半球言語領域の障害→言語機能が近い計算障害が併存」「右半球損傷由来の症状(病態失認・相貌失認)は併存が低い」