第24回 言語聴覚士国家試験 第155問
失語症第24回
誤っているの組み合わせはどれか。
- 1.ブローカ失語 ― 失文法
- 2.ウェルニッケ失語 ― ジャルゴン
- 3.失名辞失語 ― 音韻性失語 ✓
- 4.伝導失語 ― 接近行為
- 5.混合型超皮質性失語 ― 補完現象
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 失名辞失語 ― 音韻性失語
失名辞失語(命名失語)と音韻性失語は異なる疾患概念です。失名辞失語は語の想起困難が主徴で、音韻性失語は音韻操作能力の障害が主徴です。この組み合わせは誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. ブローカ失語 ― 失文法
✅ 正しい。ブローカ失語の特徴的症状は失文法(agrammatism)です。助詞・助動詞などの機能語が脱落し、「は・を・が」が抜けた短い句で話します。内容語は比較的保持されます。
2. ウェルニッケ失語 ― ジャルゴン
✅ 正しい。ウェルニッケ失語では流暢な言語産出を示しますが、その内容は支離滅裂な造語や言語新作(ジャルゴン)を含みます。「ジャルゴン」は特にウェルニッケ失語の象徴的症状です。
3. 失名辞失語 ― 音韻性失語
❌ 誤り。失名辞失語(命名失語)は語想起の困難が中核で、理解・復唱・流暢性は保持されます。一方、音韻性失語は音韻操作能力(操作的な音の置換・省略)の障害が主症状です。別の失語症タイプであり、この組み合わせは誤りです。
4. 伝導失語 ― 接近行為
✅ 正しい。伝導失語では復唱著しく不良ですが、理解は良好なため、患者は自分の誤りを意識します。その結果、自分の発話を修正しようとする接近行為(approximation)が観察されます。
5. 混合型超皮質性失語 ― 補完現象
✅ 正しい。混合型超皮質性失語では自発発話が極めて乏しい(非流暢)ですが、理解・復唱が保持されるため、補完現象(音読や復唱で改善)が見られます。これは外部刺激が脳損傷周辺領域の活動を代償できることを示唆します。
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【試験対策ポイント】
失語症6タイプの特徴(3軸分類)
| タイプ | 流暢性 | 理解 | 復唱 | 特徴症状 |
|---|---|---|---|---|
| Broca失語 | 非流暢 | 良好 | 不良 | 失文法・努力性 |
| Wernicke失語 | 流暢 | 不良 | 不良 | ジャルゴン・自覚なし |
| 伝導失語 | 流暢 | 良好 | 著しく不良 | 接近行為・自覚あり |
| 超皮質性運動失語 | 非流暢 | 良好 | 良好 | 補完現象あり |
| 超皮質性感覚失語 | 流暢 | 不良 | 良好 | 補完現象あり |
| 命名失語 | 流暢 | 良好 | 良好 | 語想起困難のみ |
紛らわしい失語症の区別
「失名辞失語 vs 音韻性失語」
- 失名辞失語:対象の名前が出ない(意味知識は保持)→語想起の問題
- 音韻性失語:音韻操作能力の障害→自分の発話でも音が置換・省略される
「超皮質性運動失語 vs Broca失語」
- 共に非流暢だが、「復唱」が保持されるかが鍵
- 超皮質性運動は復唱良好→周辺領域損傷
接近行為と補完現象の違い
- 接近行為:患者が自分