STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第156問

失語症第24回
形式性錯語はどれか。 a.太鼓を「たこ」 b.ホテルを「ほたる」 c.桜餅を「くさもち」 d.靴下を「さかたのみ」 e.サラダを「さんかてんき」 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b 形式性錯語は、**音韻的に元の語に類似しているが意味が異なる錯語**です。音韻体系内で音の置換・挿入・削除が生じるものが特徴で、語全体の音構造は保たれています。 --- 【各選択肢の解説】 a. 太鼓を「たこ」 ✅ 形式性錯語。「たいこ」の「い」が脱落し「たこ」になった音韻的変化です。元の語と音が部分的に共通しており、形式性錯語の典型です。 b. ホテルを「ほたる」 ✅ 形式性錯語。「ホテル」の「テ」が「タ」に置換され「ほたる」になっています。音韻体系内での置換であり、形式的に類似した構造を保っています。 c. 桜餅を「くさもち」 ❌ 誤り。「桜」→「くさ」への変化は意味的な関連性がありますが(植物という概念の広がり)、この錯語は**意味性錯語**です。意味カテゴリー内での置換であり、音韻的類似性ではなく意味的な連想に基づいています。 d. 靴下を「さかたのみ」 ❌ 誤り。複数の音が挿入・置換されており、元の語との音韻的類似性が低く、かつ意味的な連想も含まれます。これは**新造語またはジャルゴン(言語産出の混乱)**に近く、形式性錯語とは言えません。 e. サラダを「さんかてんき」 ❌ 誤り。元の語「サラダ」との音韻的類似性がほぼ失われており、全く異なる語が出現しています。この種の非関連的な語の産出は**新造語またはジャルゴン(言語産出の崩壊)**であり、形式性錯語ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 錯語の分類 | 分類 | 特徴 | 例 | |---|---|---| | **形式性錯語** | 音韻的に類似。音の置換・脱落・挿入が主 | 「太鼓」→「たこ」 | | **意味性錯語** | 意味カテゴリー内での置換。音韻的類似性なし | 「りんご」→「ぶどう」 | | **新造語** | 実在しない造語。音韻・意味いずれにも属さない | 複雑な不規則な音の配列 | 形式性錯語を見分けるコツ: - 「元の語と比べて、音の一部が変わった」→形式性を疑う - 「意味的に関連した別の語」→意味性錯語と判定 - 「音も意味も関連性がない奇想天外な語」→新造語と判定 頻出錯語タイプ: - Broca失語→形式性錯語が多い(音韻体系の保持、構音の努力的歪曲) - Wernicke失語→意味性錯語・新造語が多い(語彙選択の障害、音韻体系の崩壊)
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