第24回 言語聴覚士国家試験 第158問
失語症第24回
純粋語聾について正しいのはどれか。
- 1.失音楽を伴う。
- 2.皮質聾と同義である。
- 3.環境音の理解障害を伴う。
- 4.語音弁別能は正常を示す。
- 5.聴性脳幹反応は正常を示す。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 聴性脳幹反応は正常を示す。
純粋語聾は、聴力は正常で聴性脳幹反応(ABR)も正常だが、言語音の理解が著しく障害される症状です。病変は側頭葉上部の聴覚言語野にあり、末梢聴覚系と脳幹経路の障害ではなく、言語音の認識機能が障害されています。したがって、聴覚路の末梢障害を反映するABRは正常に保たれます。
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【各選択肢の解説】
1. 失音楽を伴う。
❌ 誤り。失音楽(音楽を理解できない障害)は別の神経言語学的疾患であり、純粋語聾の必須症状ではありません。純粋語聾の本態は言語音特異的な理解障害です。
2. 皮質聾と同義である。
❌ 誤り。皮質聾は環境音・言語音ともに理解できない聴覚入力全般の障害ですが、純粋語聾は言語音のみ理解できず、環境音(例:犬の鳴き声、ドアの音)の理解は比較的保たれます。
3. 環境音の理解障害を伴う。
❌ 誤り。純粋語聾の特徴は、環境音の理解は比較的保たれることです。言語音特異的な理解障害を示すため、非言語の聴覚刺激には反応できます。
4. 語音弁別能は正常を示す。
❌ 誤り。純粋語聾では語音弁別能が著しく低下します。聴覚受容は正常でも、その情報が言語音として認識・処理されないため、弁別課題で成績が落ちます。
5. 聴性脳幹反応は正常を示す。
✅ 正しい。ABRは聴神経から脳幹までの電気生理的活動を反映します。純粋語聾は大脳皮質(上側頭葉)の障害であり、脳幹路が温存されているためABRは正常です。これが純粋語聾の診断的特徴です。
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【試験対策ポイント】
聴覚認知障害の層別化
| 障害の種類 | 病変部位 | 聴力 | ABR | 環境音理解 | 言語音理解 |
|---|---|---|---|---|---|
| 純粋語聾 | 側頭葉上部聴覚言語野 | 正常 | **正常** | 良好 | 著しく低下 |
| 皮質聾 | 聴覚野(一次・二次) | 正常 | 正常 | 低下 | 低下 |
| 聴神経腫瘍 | 聴神経 | 低下 | **異常** | 低下 | 低下 |
| 伝音難聴 | 外耳・中耳 | 低下 | **異常** | 低下 | 低下 |
鍵となる知識
- 純粋語聾=「言語音のみ」の理解障害(環境音は理解可能)
- 層別診断の本質:ABRで脳幹以下の経路を判定する
- 皮質聾との区別:環境音理解の有無が決め手
よくある誤解
- 「聴力が正常=全ての聴覚認知が正常」ではない
- 言語音理解障害があっても、生理的には脳幹レベルは機能している