STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第159問

失語症第24回
失語症の訓練について誤っている組み合わせはどれか。 a.CI言語療法 ― 発話を制限する。 b.語彙機能の訓練 ― 単語属性を考慮する。 c.機能再編成法 ― 残存機能を活用する。 d.意味セラピー ― 意味表象を賦活する。 e.刺激法 ― 誤反応を矯正する。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e CI言語療法は「発話を制限する」ではなく「健側の代償行動を制限して患側を使用させる」ことが原理です。また刺激法は「誤反応を矯正する」のではなく「適切な反応を引き出すための刺激を与える」手法であり、両者とも説明が誤っています。 --- 【各選択肢の解説】 a. CI言語療法 — 発話を制限する ❌ 誤り。CI言語療法(Constraint-Induced Language Therapy)の原理は「健側の代償行動を制限する」ことにより、患側(損傷脳)の機能を強制的に使用させ、その回復を促すものです。「発話そのもの」を制限するのではなく、代償戦略(ジェスチャーや筆記など)の使用を制限して、言語的アウトプットを強要します。 b. 語彙機能の訓練 — 単語属性を考慮する ✅ 正しい。語彙機能の訓練では、単語の意味属性(「動物」「食べ物」などのカテゴリー)や形態属性を考慮した体系的な指導が行われます。意味ネットワークの再構築を目指すため、属性の整理は重要な訓練戦略です。 c. 機能再編成法 — 残存機能を活用する ✅ 正しい。機能再編成法(Reorganization of Function)は、損傷した脳領域の機能を、残存する健全な脳領域が代替することを促す方法です。残存機能の活用が理論的基盤となります。 d. 意味セラピー — 意味表象を賦活する ✅ 正しい。意味セラピー(Semantic Therapy)では、単語や概念の意味表象(意味ネットワーク内での位置づけ)を活性化させることで、語想起や理解を促進します。意味的処理を中心とした訓練です。 e. 刺激法 — 誤反応を矯正する ❌ 誤り。刺激法(Stimulation)は「適切な反応を引き出すための刺激を与える」ことが目的であり、「誤反応を矯正する」ことではありません。刺激法は肯定的強化を基盤とし、正反応を増加させる手法です。誤反応を直接矯正するのは「矯正法」などの異なる訓練アプローチです。 --- 【試験対策ポイント】 失語症訓練法の比較表: | 訓練法 | 原理 | 対象機能 | |---|---|---| | CI言語療法 | 代償行動を制限→患側強制使用 | 言語全般 | | 語彙機能訓練 | 意味属性による体系的学習 | 語彙・意味ネットワーク | | 機能再編成法 | 残存脳領域による代替 | 全般的機能回復 | | 意味セラピー | 意味表象の賦活 | 意味理解・語想起 | | 刺激法 | 正反応を引き出す刺激 | 反応誘発・強化 | 紛らわしいポイント: - aの「発話を制限」は「代償行動の制限」に言い換えるべき - eの「誤反応矯正」は「正反応引き出し」が正確な説明 - c・d・bは全て「機能や表象を活性化させる」という共通点あり 頻出の誤り説明パターン:訓練法の「目標」と「方法」を混同させた選択肢が狙われやすい
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