STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第163問

高次脳機能障害第24回
障害と訓練法との組み合わせで誤っているのはどれか。
  1. 1.道順障害 ― 道順の言語化
  2. 2.構成障害 ― PQRST法 ✓
  3. 3.記憶障害 ― 手がかり漸減法
  4. 4.発語失行 ― 8段階統合刺激法
  5. 5.全般性注意障害 ― Attention Process Training(APT)

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 構成障害 — PQRST法 PQRST法は「記憶障害」の訓練法であり、構成障害の訓練法ではありません。構成障害(描画や組立課題で図形の配置に障害がある)には、模写課題や立体図形組立課題などの視空間認識訓練が標準的です。一方、PQRST法は記憶内容を「質問(Question)→予測(Prediction)→音読(Reading)→自述テスト(Self-test)→検討(Test)」のプロセスで定着させる方法で、記憶障害に特化しています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 道順障害 — 道順の言語化 ✅ 正しい。空間的経路記憶の欠損である道順障害に対して、道順を言語的に符号化し「右に曲がって、信号を渡って」のように言語化することで、非言語的視空間認識を補償する有効な訓練法です。 2. 構成障害 — PQRST法 ❌ 誤り。PQRST法は記憶内容の定着を目的とした記憶障害の訓練法であり、構成障害(視空間構成能力の低下)には適応しません。構成障害にはジグソーパズルや積木模写など、視空間認識そのものを改善する訓練が必要です。 3. 記憶障害 — 手がかり漸減法 ✅ 正しい。手がかり漸減法は、最初は強い手がかりを与えて学習を促進し、段階的に手がかりを減らしていく方法で、記憶障害者の学習と記憶定着を助ける確立された訓練法です。 4. 発語失行 — 8段階統合刺激法 ✅ 正しい。発語失行の訓練法として、Rosenbekらの8段階統合刺激法(聴覚刺激→視覚刺激→触覚刺激→模倣→発話を段階的に進める)は標準的で広く認知されています。 5. 全般性注意障害 — Attention Process Training(APT) ✅ 正しい。APTは注意機能を段階的に改善するため、持続注意→選択注意→交代注意→分配注意という階層構造で訓練する確立された方法で、全般性注意障害に有効です。 --- 【試験対策ポイント】 訓練法と障害タイプの対応関係(重要組み合わせ) | 障害タイプ | 主要訓練法 | ポイント | |---|---|---| | 記憶障害 | PQRST法・手がかり漸減法・脳画像フィードバック | 符号化・保持・検索を段階的に支援 | | 注意障害 | APT・SCP(選別的課題)・視覚探索課題 | 持続→選択→交代→分配の順序が重要 | | 構成障害 | ジグソーパズル・積木模写・立体組立課題 | 視空間認識そのものへのアプローチ | | 発語失行 | 8段階統合刺激法・音韻模倣・リズム刺激 | 多感覚統合と段階的促通が基本 | | 道順障害 | 道順の言語化・地図学習・実地訓練 | 視空間を言語に変換して補償 | PQRST法の5段階(覚え方:頭文字) - Prediction(予測):内容を予測しながら音読 - Question(質問):質問に答える - Reading(読む):繰り返し音読 - Self-test(自己テスト):思い出す - Test(検討):記憶内容を確認 誤答のポイント 「手がかり漸減法」と「PQRST法」はいずれも記憶障害の訓練法です。
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