STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第175問

音声障害第24回
声帯振動が観察されないのはどれか。
  1. 1.変声障害
  2. 2.声帯結節
  3. 3.片側声帯麻痺
  4. 4.心因性失声症 ✓
  5. 5.声帯ポリープ

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 心因性失声症 心因性失声症は、器質的な喉頭病変がなく、心理的要因により声帯が正常に振動しない状態です。喉頭内視鏡検査では声帯に異常が認められないにもかかわらず、発声時に声帯が振動しないか、振動が著しく減少するという特徴的な所見が得られます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 変声障害 ✅ 正しい。声帯振動は観察される。変声障害は思春期を過ぎても音声が高いままの状態ですが、声帯そのものは正常に振動しており、むしろ声帯の使用方法(過度な緊張など)の問題です。 2. 声帯結節 ✅ 正しい。声帯振動は観察される。両側声帯の前中1/3境界部に結節が形成されますが、これは音声酷使による器質的病変であり、声帯は振動します。振動により結節が衝突することで嗄声が生じます。 3. 片側声帯麻痺 ✅ 正しい。声帯振動は観察される。片側声帯が固定位置で動かないため、動く側の声帯は正常に振動します。気息性嗄声が特徴です。 4. 心因性失声症 ❌ 誤り(正答)。声帯振動は観察されない。喉頭内視鏡検査で声帯に何の異常も認められないのに、発声時に声帯がほぼ閉鎖しない、または振動が著しく減少する、という矛盾した所見が特異的です。 5. 声帯ポリープ ✅ 正しい。声帯振動は観察される。一側声帯に生じた器質的病変であり、声帯は振動します。振動時にポリープが衝突することで嗄声が生じます。 --- 【試験対策ポイント】 器質的病変の有無で分類: | 区分 | 声帯病変 | 声帯振動 | 典型所見 | |---|---|---|---| | **声帯結節** | あり(両側結節) | あり | 音声酷使歴 | | **声帯ポリープ** | あり(片側) | あり | 単発・茎状 | | **片側声帯麻痺** | なし | 一側のみ | 気息性嗄声 | | **変声障害** | なし | あり | 思春期後の高い声 | | **心因性失声症** | なし | なし | 聴覚検査は正常 | 重要:「声帯に器質的病変がない=器質的原因がない」ではない。心因性失声症は心理的要因で声帯振動が抑制される特異的な状態。喉頭内視鏡と音声・嚥下機能の矛盾が診断の鍵。
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