第24回 言語聴覚士国家試験 第176問
音声障害第24回
下咽頭食道接合部が振動部位となるのはどれか。
a.食道発声
b.笛式人工喉頭
c.電気式人工喉頭
d.スピーチカニューレによる発声
e.ボイスプロテーゼによる発声
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e(食道発声とボイスプロテーゼによる発声)
下咽頭食道接合部(PE接合部、咽頭食道境界部)が音源として振動する発声方法は、食道発声とボイスプロテーゼによる発声です。両者とも、食道から呼出された気流がこの部位の粘膜を振動させることで基本周波数を発生させます。これが他の人工喉頭装置と大きく異なる特徴です。
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【各選択肢の解説】
a. 食道発声
✅ 正しい。食道に貯蔵した空気を逆流させ、下咽頭食道接合部の粘膜を振動させて音源を作ります。喉頭全摘出後の重要な代替発声法です。
b. 笛式人工喉頭
❌ 誤り。笛式人工喉頭は声帯の代わりに人工物(振動子)が振動して音を発生させます。下咽頭食道接合部は振動部位ではなく、単に共鳴腔として機能します。
c. 電気式人工喉頭
❌ 誤り。電気エネルギーで振動子を駆動させ、人工的に音を発生させます。音源は装置内部の振動子であり、下咽頭食道接合部の振動は関与しません。
d. スピーチカニューレによる発声
❌ 誤り。気管切開孔に挿入したカニューレから気流を声門上へ導き、上部食道括約筋や咽頭狭窄部を振動させます。下咽頭食道接合部ではなく、より上位の部位が音源です。
e. ボイスプロテーゼによる発声
✅ 正しい。咽頭食道接合部に挿入した一方向弁を通じて、肺からの気流が流入し、粘膜部分が振動して音源を生成します。食道発声と同じく下咽頭食道接合部が振動部位です。
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【試験対策ポイント】
表:喉頭全摘出後の発声方法における音源部位の違い
| 発声方法 | 音源部位 | 振動メカニズム |
|---|---|---|
| 食道発声 | PE接合部粘膜 | 食道貯蔵空気が逆流し粘膜振動 |
| ボイスプロテーゼ | PE接合部粘膜 | 肺からの気流が弁通過後に粘膜振動 |
| 笛式人工喉頭 | 装置内振動子 | 電池駆動で機械的振動 |
| 電気式人工喉頭 | 装置内振動子 | 電気エネルギーで振動子駆動 |
| スピーチカニューレ | 上部食道括約筋付近 | カニューレからの気流で上位部振動 |
重要な区別:
- 食道発声&ボイスプロテーゼ:生理的組織(粘膜)が振動する
- 笛式&電気式人工喉頭:人工振動子が音源(体外装置)
- スピーチカニューレ:気管からの気流を利用(PE接合部ではない)
頻出混同点:
「スピーチカニューレ」との区別に注意。カニューレは気管孔から気流を声門上に導くため、PE接合部より上位の咽頭狭窄部が振動部位となります。