STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第24回 言語聴覚士国家試験 第178問

機能性構音障害第24回
7歳の女児。カ行音がタ行音に置換している。正しい音を導くために行う訓練方法として適切なのはどれか。 a.語音の弁別をさせる。 b.構音位置を図で理解させる。 c.開口して強く息を出させる d.開口して舌尖を挙上させる。 e.開口して奥舌を挙上させる。 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,b,e カ行音がタ行音に置換している場合、舌位置の誤りが主な原因です。カ行(後舌軟口蓋音)を正しく産生するには、舌の奥(後舌)を軟口蓋に接触させる必要があります。訓練では、この誤った舌位置を修正するため、弁別訓練と視覚的理解、そして正しい舌位置の指導が必要です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 語音の弁別をさせる。 ✅ 正しい。カ行音とタ行音の音響特性の違いを認識させることで、誤り音の習慣化を打ち破ります。聴覚フィードバックは構音改善の基本的なステップです。 b. 構音位置を図で理解させる。 ✅ 正しい。7歳児の認知発達段階では、図解による視覚的情報提供が有効です。タ行(歯茎音)とカ行(軟口蓋音)の舌位置の違いを図で示すことで、正しい産生位置への意識化が進みます。 c. 開口して強く息を出させる。 ❌ 誤り。強い呼気流出は、むしろ舌離開を招き、構音位置の修正とは直接関係がありません。舌位置の修正が主眼であり、呼気量の増加ではありません。 d. 開口して舌尖を挙上させる。 ❌ 誤り。タ行音は舌尖を歯茎に接触させる音であり、カ行の置換を修正するためにさらにタ行音的な口形を強調することは、誤りをより強化してしまいます。 e. 開口して奥舌を挙上させる。 ✅ 正しい。カ行音の正しい産生には、後舌(奥舌)を軟口蓋に接触させることが必須です。この舌位置修正の指導が最も直接的な訓練方法です。 --- 【試験対策ポイント】 構音位置の誤りタイプと訓練方針: | 置換型式 | 原因 | 主な訓練方法 | |---|---|---| | カ→タ置換 | 舌位置が前方化(後舌が挙上しない) | 奥舌挙上指導・舌位置の図解 | | サ→タ置換 | 舌位置が後方化 | 舌尖挙上指導 | | ラ行音障害 | 舌背上昇・舌側音化 | 舌位置の詳細指導 | 構音訓練の基本段階: 1. 聴覚弁別訓練(正誤音の区別) 2. 視覚的理解(図解・舌位置理解) 3. 運動指導(正しい舌位置の習得) 4. 反復訓練(習慣化) 重要否定知識: - 「息の強さ」は舌位置の誤りを修正する要因ではない - タ行の強調は、カ行置換の修正には逆効果 - 舌尖挙上はカ行修正に不適切(むしろタ行的になる) キーワード:後舌軟口蓋音、舌位置修正、視覚的フィードバック、聴覚弁別
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