第24回 言語聴覚士国家試験 第179問
器質性構音障害第24回
重度の鼻咽腔閉鎖機能不全が疑われるのはどれか。
a.早口言葉が言えない
b.マ行音がバ行音になる。
c.一息で長く話せない。
d.固形物の鼻からの逆流がみられる。
e.吹奏楽器演奏時に支障がある。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — c,d,e
鼻咽腔閉鎖機能不全では、口腔内圧を維持できないため「鼻腔への異常な気流・液流漏出」と「口腔圧が必要な音声生成の困難」が生じます。特に液体や固形物の鼻からの逆流は、重症例の代表的兆候です。
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【各選択肢の解説】
a. 早口言葉が言えない
❌ 誤り。早口言葉が難しい原因は主に「音韻体系の障害」「構音の複雑さ」「運動制御」であり、鼻咽腔閉鎖機能不全の特異的徴候ではありません。失調性構音障害や軽度の構音障害でも見られます。
b. マ行音がバ行音になる
❌ 誤り。これは「マ→バ」の音韻置換で、唇音化(labial substitution)に該当します。このパターンは口蓋裂や器質的口腔異常に伴う置換音であり、鼻咽腔閉鎖機能不全の特異的徴候ではありません。むしろ機能不全では「開鼻声化(denasality)」が特徴です。
c. 一息で長く話せない
✅ 正しい。鼻咽腔閉鎖機能不全により口腔内圧が逃げるため、呼気を効率よく使用できず、連続発話が困難になります。話しながら鼻からも空気が漏れることで、発話持続時間が短縮します。
d. 固形物の鼻からの逆流がみられる
✅ 正しい。重症の鼻咽腔閉鎖機能不全では、嚥下時に口腔咽頭圧を形成できず、食物が鼻腔へ逆流します。これは重度の器質性・機能性障害を示す明確な臨床徴候です。
e. 吹奏楽器演奏時に支障がある
✅ 正しい。楽器演奏には口腔内に一定の圧力を保つことが必須です。鼻咽腔閉鎖機能不全により口腔圧が維持できないため、吹奏楽器の音出しが困難になります。
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【試験対策ポイント】
| 概念 | 鼻咽腔閉鎖機能不全の特徴 |
|---|---|
| **特異的な音声障害** | 開鼻声(鼻漏出音):m→bになるのではなく、鼻音が軟化 |
| **呼気効率低下** | 連続発話時間短縮、一息で話せない |
| **嚥下障害** | 液体・固形物の鼻逆流(重症例) |
| **口腔圧が必要な動作** | 吹奏楽器演奏、強い口笛、バルーン膨張困難 |
キーワード:「口腔圧低下」→「呼気漏出」「嚥下時の圧形成不全」