第24回 言語聴覚士国家試験 第182問
運動障害性構音障害第24回
運動障害声構音障害に対する発話訓練のうち、発話中に意図的に休止を入れる訓練はどれか。
- 1.タッピング法
- 2.モーラ指折り法
- 3.フレージング法 ✓
- 4.リー・シルバーマン法
- 5.ポインティングスピーチ
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — フレージング法
フレージング法は、発話中に意図的に休止(フレーズ境界)を設定し、その休止点で深く吸気する訓練です。これにより呼吸制御を改善し、特に失調性構音障害や痙性構音障害の患者が、文を短く分割して発話することで明瞭性が向上します。
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【各選択肢の解説】
1. タッピング法
❌ 誤り。この訓練は外部刺激(リズム刺激)に同期させて発話する方法で、特に失調性構音障害の不規則な発話リズムを改善するために用いられます。「意図的な休止」ではなく「外部リズムへの適応」が特徴です。
2. モーラ指折り法
❌ 誤り。各モーラ(音の単位)ごとに指を折りながら発話する訓練で、発話速度の低下と音節ごとの正確性向上を目指します。「指の動作」と「モーラ単位での分割」が特徴で、意図的な休止を重視していません。
3. フレージング法
✅ 正しい。フレーズ(意味のある句単位)ごとに休止を入れ、その休止で吸気する訓練です。呼吸と発話のタイミングを改善し、特に失調性構音障害や痙性構音障害で効果的です。「意図的な休止」の定義に完全に合致します。
4. リー・シルバーマン法
❌ 誤り。この訓練は音声の「音量・抑揚の増加」に焦点を当てており、パーキンソン病による低下した音声を改善するために開発されました。休止ではなく「音声の強度化」が目的です。
5. ポインティングスピーチ
❌ 誤り。患者が指で単語を指しながら発話する方法で、主に思考・構文化に関する認知的アプローチです。意図的な休止を組み込む訓練ではなく、むしろ「指差し」の動作により言語処理を補助するものです。
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【試験対策ポイント】
運動障害性構音障害の5大訓練法の鑑別
| 訓練法 | 目的 | 方法 | 対象 |
|---|---|---|---|
| **フレージング法** | **呼吸制御** | **フレーズごとに休止・吸気** | **失調性・痙性** |
| タッピング法 | リズム改善 | 外部刺激に同期 | 失調性 |
| モーラ指折り法 | 発話速度低下・正確性 | モーラごとに指折り | 失調性・運動低下性 |
| リー・シルバーマン法 | 音声強度化 | 音量・抑揚の意識的増加 | パーキンソン病 |
| ポインティングスピーチ | 言語処理補助 | 指差しながら発話 | 失語症 |
重要な鑑別ポイント:
- 「休止」「呼吸」→フレージング法
- 「リズム」「テンポ」→タッピング法
- 「音量」「声質」→リー・シルバーマン法
- 「速度低下」「正確性」→モーラ指折り法