第24回 言語聴覚士国家試験 第183問
嚥下障害第24回
嚥下障害を疑う項目でないのはどれか。
- 1.肺炎
- 2.体重減少
- 3.湿性嗄声
- 4.食事時間の延長
- 5.開口時の顎関節痛 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 開口時の顎関節痛
嚥下障害を疑う項目を選ぶ問題で、開口時の顎関節痛は嚥下障害の直接的な症状または合併症ではありません。嚥下障害を疑う場合は、誤嚥の兆候(湿性嗄声など)、栄養・水分摂取不良の結果(体重減少)、嚥下効率の低下の徴候(食事時間延長)、および嚥下障害の合併症(嚥下性肺炎)が重要な指標となります。
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【各選択肢の解説】
1. 肺炎
✅ 正しい。嚥下性肺炎は嚥下障害による誤嚥の最も重要な合併症です。嚥下障害患者の死亡原因の上位であり、嚥下障害を疑う重要な臨床徴候です。
2. 体重減少
✅ 正しい。嚥下障害があると十分な食事摂取が困難となり、栄養不良が生じます。進行性の体重減少は嚥下障害の指標となります。
3. 湿性嗄声
✅ 正しい。食後の湿性嗄声(「濡れた」ような声)は咽頭や喉頭への唾液や食物の流入を示唆し、誤嚥の強い兆候です。嚥下障害スクリーニングの重要項目です。
4. 食事時間の延長
✅ 正しい。嚥下に要する時間が延長することは、嚥下の効率低下や安全性確保のための代償戦略の使用を示唆します。嚥下障害患者の典型的な特徴です。
5. 開口時の顎関節痛
❌ 誤り。開口時の顎関節痛は顎関節症などの顎関節疾患の症状であり、嚥下障害そのものとは無関係です。ただし、嚥下障害の原因疾患(頸部外傷など)が同時に顎関節に障害を与える場合は因果関係がありえますが、嚥下障害を直接疑う項目ではありません。
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【試験対策ポイント】
嚥下障害を疑う臨床徴候(スクリーニング項目)
| 分類 | 項目 | 意味 |
|---|---|---|
| 誤嚥の兆候 | 湿性嗄声 | 咽頭・喉頭への食物/唾液の流入 |
| | 咳嗽 | 気管への侵入 |
| | 発熱 | 嚥下性肺炎の兆候 |
| 栄養摂取状況 | 体重減少 | 十分な食事摂取が困難 |
| | 脱水 | 水分摂取不良 |
| 嚥下機能 | 食事時間延長 | 嚥下効率の低下 |
| | 食事中の休止 | 疲労性の嚥下困難 |
| | 食物残留感 | 咽頭内への食物停滞 |
| 合併症 | 肺炎 | 最重要な合併症(嚥下性肺炎) |
嚥下障害に無関係な症状
- 顎関節痛:顎関節症(開閉口時の痛み)
- 舌痛:舌炎・舌痛症など局所的原因
- 嚥下痛(嚥下時痛):扁桃炎・咽頭炎などの炎症性疾患(嚥下障害との区別が重要)
重要な否定知識:「開口困難」と「開口時の顎関節痛」は別
- 開口困難:開口筋麻痺(トリスマス)→実際には嚥下に支障あり
- 開口時の