第24回 言語聴覚士国家試験 第187問
吃音第24回
吃音の進展段階の第4層に認められる情緒性反応はどれか。
- 1.自分の頬をたたきながら話す。
- 2.うまく話せないことを訴える。
- 3.吃音で悩んでいることを相談する。
- 4.不登校になる。 ✓
- 5.吃音症状を笑われてびっくりしている。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 不登校になる。
吃音の進展段階における第4層(最終段階)では、吃音に対する否定的な態度や情緒的反応が著しく深刻化します。第4層に認められる情緒性反応は、吃音それ自体への対処不安から社会生活の回避へと発展した、より深い心理的苦悩を示す行動です。不登校は、吃音による対人不安が日常生活機能を著しく阻害する段階を示しており、第4層特有の重症度を反映しています。
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【各選択肢の解説】
1. 自分の頬をたたきながら話す。
❌ 誤り。これは第2層(中間段階)に認められる身体的反応(逃避行動)です。吃音症状を回避・軽減させるための工夫であり、症状そのものへの対処行動であって、情緒性反応ではありません。
2. うまく話せないことを訴える。
❌ 誤り。これは第2層または第3層(中期段階)に認められる反応です。症状への気付きと簡易的な訴えの段階であり、第4層のような社会機能の著しい低下を伴う情緒的危機までは達していません。
3. 吃音で悩んでいることを相談する。
❌ 誤り。これは第3層(後期段階)に認められる反応です。吃音に対する意識が明確になり、心理的負担を自覚する段階ですが、なお対人関係を保持しようとする意志が存在しています。
4. 不登校になる。
✅ 正しい。第4層(最終段階)では、吃音に対する恐怖感・羞恥心が極度に深まり、社会参加を放棄するレベルの情緒的危機に至ります。学校という社会環境そのものの回避は、吃音の心理的影響が生活全般を支配している状態を示す典型的事例です。
5. 吃音症状を笑われてびっくりしている。
❌ 誤り。これは第1層(初期段階)の反応です。吃音症状を自覚し始めたばかりで、環境からの反応に驚く段階であり、その後の心理的発展はまだ限定的です。
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【試験対策ポイント】
吃音の進展段階(Van Riper)とVan Riperの4層理論
| 層 | 段階の特徴 | 認められる反応の例 |
|---|---|---|
| 第1層 | 初期:症状の自覚 | 症状への一時的な関心。笑われてびっくり。簡単な回避 |
| 第2層 | 中間:症状への対処開始 | 身体的回避行動(頭を振る・頬をたたく)。部分的な語句・音回避 |
| 第3層 | 後期:心理的負担の明確化 | 吃音に対する自覚的不安。相談行動。特定の状況での回避(電話を避けるなど) |
| 第4層 | 最終:社会機能の著しい低下 | 極度の羞恥心・恐怖心。社会参加の放棄(不登校・引きこもり)。対人回避 |
重要な区別:「身体的反応」vs「情緒性反応」
- 身体的反応=症状回避のための工夫(頬をたたく・頭を振るなど)→第2層
- 情緒性反応=心理的苦悩から生じる社会行動の変化→第3・4層(特に第4層は社会機能喪失)