第24回 言語聴覚士国家試験 第188問
吃音第24回
吃音者が流暢になりやすいのはどれか。
a.ささやき声で話す。
b.ゆっくりと話す。
c.はきはきと話す。
d.高い声で話す。
e.大きな声で話す。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b(ささやき声で話す、ゆっくりと話す)
吃音者が流暢になりやすい条件は、音声基本周波数の低下、話速の減少、発話に対する自意識の軽減が共通メカニズムです。ささやき声とゆっくり話すはいずれもこれらの条件を満たし、吃音の出現を抑制する効果が臨床的に確認されています。
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【各選択肢の解説】
a. ささやき声で話す。
✅ 正しい。ささやき声は声帯振動が最小限となり、音声基本周波数が低下します。また自分の音声への聴覚フィードバックが減少し、発話に対する自意識が低減されるため、吃音の出現が抑制されます。
b. ゆっくりと話す。
✅ 正しい。話速を意識的に低下させることで、呼気と音声の調整が容易になり、発話計画に十分な時間がかかります。これにより音韻計画のエラーが減少し、吃音発生のリスクが低下します。
c. はきはきと話す。
❌ 誤り。はきはきと話す(明確で力強い発話)は、発話に対する自意識を高め、発話の緊張を増加させます。吃音者にとっては発話をコントロールしようとする努力が増し、かえって吃音を誘発・悪化させる可能性があります。
d. 高い声で話す。
❌ 誤り。高い声での発話は音声基本周波数を上昇させ、音声制御の困難さを増加させます。吃音者の流暢性改善効果は認められず、むしろ音声制御への意識付けが強化されて吃音を誘発する可能性があります。
e. 大きな声で話す。
❌ 誤り。大きな声での発話は、音圧上昇に伴って発話緊張が増加し、発話に対する自意識が高まります。吃音者にとっては呼気・音声・構音の協調制御がより困難となり、吃音が出現しやすくなります。
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【試験対策ポイント】
吃音の流暢化条件(吃音が減少する環境・話し方)
| 条件 | 機序 | 吃音への影響 |
|---|---|---|
| ささやき声 | 声帯振動最小化・聴覚フィードバック低減・自意識低減 | ✅ 流暢化 |
| ゆっくり話す | 話速低下・呼気と音声の調整容易化・計画時間増加 | ✅ 流暢化 |
| はきはきと話す | 発話への自意識高化・緊張増加・コントロール意識上昇 | ❌ 誘発 |
| 高い声 | 音声基本周波数上昇・音声制御困難化 | ❌ 誘発 |
| 大きな声 | 音圧上昇・発話緊張増加・自意識高化 | ❌ 誘発 |
キーワード:流暢化の本質は「自意識低減と時間的余裕」