第24回 言語聴覚士国家試験 第189問
小児聴覚障害第24回
聴覚の発達で正しいのはどれか。
- 1.生後3ヶ月を過ぎるとモロー反射がみられるようになる。
- 2.乳児は母親とほかの女性の声を聞き分けられない。
- 3.胎生40週に胎児の聴覚は機能し始める。
- 4.2歳になると音韻分解が可能となり始める。
- 5.純音聴力検査結果はほぼ6歳で成人と一致する。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 純音聴力検査結果はほぼ6歳で成人と一致する
6歳前後には聴覚系の発達がほぼ完成し、行動聴力検査(標準聴力検査)の結果が成人と同等になることが確認されています。この時期以降は、聴力検査の信頼性と再現性が大幅に向上します。
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【各選択肢の解説】
1. 生後3ヶ月を過ぎるとモロー反射がみられるようになる
❌ 誤り。モロー反射(驚愕反射)は新生児反射であり、生後3~5ヶ月で消失します。生後3ヶ月では反対に「消失する時期」であり、「みられるようになる」時期ではありません。この表現は時間軸が逆です。
2. 乳児は母親とほかの女性の声を聞き分けられない
❌ 誤り。新生児期~生後数日から、乳児は母親の声とほかの女性の声を聞き分けることが報告されています。生まれてから母親の声を継続的に聞いているため、音声パターン認識能力が早期に発達します。
3. 胎生40週に胎児の聴覚は機能し始める
❌ 誤り。内耳の形態学的発達は胎生20週前後でほぼ完成し、胎児聴覚は胎生24~26週頃から機能し始めるとされています。胎生40週(出生時点)はすでに聴覚機能が成立している段階です。
4. 2歳になると音韻分解が可能となり始める
❌ 誤り。音韻分解能力(音韻意識:単語を音のまとまりに分解できる能力)は2歳では発達していません。音韻分解は通常3~4歳以降、特に就学前~学童期(4~6歳)にかけて発達する高次機能です。
5. 純音聴力検査結果はほぼ6歳で成人と一致する
✅ 正しい。聴覚系神経路の完成と、検査に対する協力度・理解度の向上により、6歳前後には行動聴力検査が成人基準で実施可能となり、結果の信頼性が高まります。これが聴覚発達評価の重要なマイルストーンです。
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【試験対策ポイント】
| 発達段階 | 聴覚機能・検査の特徴 |
|---|---|
| 胎生24~26週 | 胎児聴覚の機能開始 |
| 新生児期 | 音への反応あり。オージオメトリ検査不可 |
| 生後3~6ヶ月 | 音源探索反応(頭部方向転換)発達 |
| 生後6~12ヶ月 | バイイング反応(喃語の時期)。COR検査が可能に |
| 1~2歳 | 初語出現。簡易聴力検査(遊戯聴力検査)の準備段階 |
| 2~4歳 | 遊戯聴力検査(play audiometry)が可能 |
| 4~6歳 | 標準聴力検査へ移行可能。理解度向上 |
| **6歳以降** | **純音聴力検査が成人基準で実施可能。結果が成人と一致** |
キーワード:
- 新生児反射(モロー反射)の消失時期:生後3~5ヶ月
- 母親音声認識:新生児期から可能
- 音韻分解能力:4~6歳以降の発達
- 聴力検査の発達段階:年齢に応じた検査法選択が必須